Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

かな その成立と変遷

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【概要】著者(監督):小松茂美 本邦文学史を支えたかな文字の成立と変遷をたどる。文献からの古文引用や用例が多数あり非常に学術的でしっかり考証されている感はあるのだが、いささか細かすぎて眠くなる。著者、書の研究が専門らしい。 【詳細】<目次> …

電通「鬼十則」

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【概要】著者(監督):植田正也 いまをときめく(?)電通の4代目社長吉田秀雄が書き留めたビジネスの原理原則。「大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする」など、確かに元ネタはいいこと言っているのだが、著者の話がほうぼうに飛び過ぎい…

物理学者のすごい思考法

【概要】著者(監督):橋本幸士 素粒子物理学者のエッセイ集。名文家の寺田寅彦や湯川・朝永、ファインマンあたりの系譜と理解。「お好み焼き屋往復路のヒステリシス」「うまい棒を東京ドームに詰め込んだらいくらになるか」などの思考実験的な話が多い。毎…

親鸞

【概要】著者(監督):笠原一男 親鸞大好きマンが彼の生涯と思想を割とコンパクトにまとめている。京⇒新潟⇒茨城⇒京と拠点を変えていった背景や思想の変化について理解が深まった。浄土真宗の考え方はもちろんのこと、歎異抄の簡易解説もあり、お得感のある…

意味の深みへ 東洋哲学の水位

【概要】著者(監督):井筒俊彦 言語哲学関連の講演録や論文集。「言語アラヤ識」などに代表される東洋哲学の共時的構造化がメイン。スーフィズムや空海の意味分節論など、すでに彼の著作に親しんでいたらそんなに目新しさはないかも。 やはり『意識と本質…

箱庭図書館

【概要】著者(監督):乙一 アマチュアのボツ作品を改稿して一冊の有機的な物語に仕立て上げた。「小説の核」があればいくらでも面白くできるらしい。全体的にミステリ風味なので文章やストーリーの違和感に気づくと面白いかも。「青春絶縁体」もいいがやは…

アウシュヴィッツ・レポート

【概要】著者(監督):ペテル・ベブヤク 浜口雄幸さんと。アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所から脱出した2名が、収容所の壮絶な実態をしかるべき筋の人にレポる。脱出する2名と、寒い中屋外で突っ立って待機するよう言われた人々および善人マンの2視点が…

アドルフに告ぐ

【概要】著者(監督):手塚治虫 3人のアドルフと彼らに人生を狂わされた者たちの大河ドラマ的群像劇。サスペンス+アクション劇といった感じ。機密情報を隠し通し協力者と情報交換するドキドキ感、親友が仇敵同士となる修羅道、男を伴走者となる女たち(小…

歎異抄をひらく

【概要】著者(監督):大野 和寿南无阿弥陀仏。善人なおもて往生をとぐいはんや悪人をや(悪人正機説)、本願ぼこりの否定と救済、自信教人信、現世と来世の救い×2回、歓喜雀躍モードにならない不安、など、元ネタである同名作品発行元の親鸞会はよくわか…

きりひと讃歌

【概要】著者(監督):手塚治虫 医師会を追放された主人公が獣化する奇病の謎を追う。「これでも医者だってのか おれは」と苦悩しつつも、多くを失った主人公は医師であり続ける意志を失わない。怪しげな村で出会ったセクシーガール・たづとか、特技・人間…

地政学入門 外交戦略の政治学

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【概要】著者(監督):曽村保信 80年代前半ぐらいまでの「これまでの地政学の要点を浮き彫りにし、その基本を明らかにすることを中心の目的にした」とのこと。マッキンダー(英)、ハウスホーファー(独)、マハン(米)の思想とそれに関連した内容を概説す…

陽だまりの樹

【概要】著者(監督):手塚治虫 その通りさ! 歴史にも書かれねえで死んでったりっぱな人間がゴマンといるんだ……… 伊武谷万二郎という非実在青少年と手塚の先祖・良庵を主人公に据え、チャンバラや策謀やユーモアやお色気を適度に差し挟みつつ、幕末の群像…

アルゴ

【概要】著者(監督):ベン・アフレック アフガン情勢が緊迫する中、タイムリー。 イラン革命時の、SF映画撮影のふりした人質救出プロジェクト。実話が元ネタなのがすごい。車ドンドンやバザールでの揉み合いなど圧倒的多数の現地人に取り囲まれる恐怖とか…

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ! 花の天カス学園

【概要】著者(監督):高橋渉 新しい声で初めて観た(しんのすけ、ひろし)。まあ慣れるわね。 おバカやりつつ推理しつつ、青春しつつ。ということでお得感がある。彼は容疑者から完全に外してしまっていたなあ。効率の過度な優先やブラックボックス化したA…

サマーフィルムにのって

【概要】著者(監督):松本壮史 おさちさんと。まさかのSF要素ありの映画撮影映画。海行ったり合宿したり車内泊したりとちゃんと青春している。主人公三人娘やキャラ立ちしたクルーの描写はグッド。少年みたいな面影を残すボーイッシュ女の子の健康的な感じ…

君の膵臓をたべたい(アニメ映画)

【概要】著者(監督):牛嶋新一郎 実写より淡々とした感じだが…後半からは恋愛要素強めに感じた(ご本人は否定されていたが)。「変わったんだと感じた」と明確に主人公の変化・成長が描かれている気がする。若干主人公の声が棒めなのが気になるが。パステ…

君の膵臓をたべたい(実写映画)

【概要】著者(監督):月川翔 「君に、私の残り少ない人生の手伝いをさせてあげます」 浜辺美波パワーで評価がワンランクぐらい上がる。いけないことをするところはよかったですねえ。ピュア感がよかった。原作初読時は突然の死に戸惑ったが、その理不尽な…

出家とその弟子

【概要】著者(監督):倉田百三大正教養主義の代名詞。「運命がお前を育てているのだよ。ただ何事も一すじの心で真面目にやれ」の台詞にみられるように、100年の時を越えても色褪せぬひたむきさと純真さを掴み取れる。久々に再読(8年ぶりぐらい?)。 「こ…

対馬藩江戸家老 近世日朝外交をささえた人びと

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【概要】著者(監督):山本博文 お盆に対馬行っていた勢、フェリー乗り場で購入。幕府―対馬―朝鮮の各担当者のやりとりを克明に復元し、各ステークホルダーがそれぞれの思惑や立場で懸命に闘っていたことがうかがえる。したたかさとメンツが大事! 描写が細…

高地文明 「もう一つの四大文明」の発見

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【概要】著者(監督): 山本紀夫 大河周辺だけでなく熱帯高地にも文明と呼べるだけのものはあった。マチュピチュ行った勢としては、その高い文明や独自性に大いに頷けるものがあった。必ずしもユーラシア大陸や西欧だけが偉いわけじゃない! 紙面を借りて他…

ラストエンペラーの私生活

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【概要】著者(監督):加藤康男 アイシン精機愛新覚羅溥儀の生涯を小説風ノンフィクションで描く。東京裁判での証言がたびたび挿入される。幼少期の変態的性生活をはじめ、三度にわたる即位と退位、度重なる転居と待遇の変化など、波瀾万丈の人生。 その人…

ドイツ戦歿学生の手紙

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【概要】著者(監督):ウィットコップ編 高橋健二訳「映像の20世紀」でおなじみWW1で戦没した青年の手紙を収める。ドイツ版『わだつみ』。1933年に出版された原著で「我々は彼らの前に頭をたれて、彼らの形見に對し、彼らの戰死を空しくせしめぬことを」と…

死体は語る

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【概要】著者(監督):上野正彦 法医学者がエッセイ風に変死体のよもやま話をする。「もの言わぬ死体は決して嘘は言わない」らしい。死体との対話により彼らの死因や生存時の状況を探偵のごとく復元する。浅沼委員長殺害事件から日航機墜落事件まで、著者、…

間宮林蔵

【概要】著者(監督):吉村昭 樺太探検・測量でおなじみ間宮林蔵を描いた時代小説。極寒の地の命がけの冒険や地道な測量、アイヌら民族たちとの交流が淡々とした綿密な筆致で描かれる。後半生では隠密的なこともしていた模様。全般的に暗めだが、孤独という…

ペスト

【概要】著者(監督):カミュ 光野博司訳 タイムリー。日々バタバタ人が倒れていく感じとか、都市封鎖の感じが味わえる。北アフリカの陽光や熱砂も感じられる。こういう極限状態や生死の狭間にあると、その人の大事なものとか価値観とかが露わになるよね。…