砂の器〈上〉 (新潮文庫) [文庫]著者：松本清張評価：B著者の代表作。描かれる今西刑事の執念深い捜査。その根性物語をともに辿ってきた自分には、最後の最後の詰め・謎解きがやや性急に感じられた。そこが残念。方言分布や可聴限界の図など、著者の緻密な取…

宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 (講談社現代新書) [新書]著者：青木薫評価：CSimon L. Singh の和訳で知られる著者。女性であることを初めて知る。よし、これを「荒川弘現象」と呼ぼう。さて、読み終わったのだが不得要領に終わった感が…

本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする〝読自〟の技術 [単行本]著者：子飼弾評価：C“本は、きみを救ってはくれない。けれども、本を読むことで、自分を救える自分になれる”年に5000冊を読破するというDan。自分は本書を読んで、名状しが…

映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル [DVD] [DVD]評価：B2000年公開のシリーズ第8作。初「嵐を呼ぶ」。カスカベ防衛隊のジャングル行、アクション仮面とパラダイスキングの死闘が主な見所。アクション仮面のタマタマが大きくて本当によかった。また、…

ガメラ2 レギオン襲来 デジタル・リマスター版 [DVD] [DVD]評価：C今回の敵はレギオン。甲虫。レギオンの初登場時には誰もがビビることだろう。しかもメッチャ強いしね。怪獣映画にしては自衛隊がめずらしく仕事していたので好印象。最後のガメラ元気玉の原…

トラック野郎 男一匹桃次郎 [DVD] [DVD]評価：B70年代後半に流行った「トラック野郎」シリーズ。主演は菅原文太。笑いありちょっぴり涙ありといった具合で、昭和のコントを彷彿とさせるものがあった。今作のヒロインは夏目雅子。たしかに若干の「お嬢さん芸…

草原の記 (新潮文庫) [文庫]著者：司馬遼太郎評価：C「空想につきあっていただいたい」から始まり、「気体のようなものを」「とりとめもなく書いている」本書。モンゴル高原に目の前にした著者の連想はとどまるところを知らない。 「たれ」はもとより、著者…

カラスの親指 by rule of CROW's thumb 通常版【DVD】 [DVD]評価：B満足感のある160分だった。ラスト20分のネタばらしに敗北。題名が大きなヒントになっていたとは。たしかに一石三鳥だ。あえて苦言を呈するなら、ヤの字の人たちはもうちょっと頑張ってほし…

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21) [新書]著者：藻谷浩介評価：Aこれは「読んだ方がいい」本だと思います。と「まえがき」で著者自ら述べているように、これは読んだ方がいい本だ！本書のキモは副題にある。副題こそが本書の神髄なの…

社会を変えるには (講談社現代新書) [新書]著者：小熊英二評価：B+厚い新書。著者は慶應の教授。写真がチャラめ。デモ、原発、民主主義…さまざまな事物について考えるヒントを提供してくれる。情報量が多く、それゆえ考えさせられることが多かった。とにかく…

世界は宗教で動いてる (光文社新書) [新書]著者：橋爪大三郎評価：Bタイトルがやや口語的なのはおいといて、著者の名前から漂う大物オーラにまず目がいくよ。対話風の文章で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、儒教、神道といった主だ…

アンストッパブル [DVD] [DVD]評価：Bただただ熱い98分でした。ヒーロー二人の誕生。言ってしまえば暴走列車を止めるだけなんだけど、主人公二人の家族のお話を織り込んできたのがよかったね。だいぶ脚色されているとはいえ、実際にあった事件てのがオソロシ…

潮騒(新潮文庫連動DVD) [DVD]評価：B三島由紀夫の同名小説を忠実に映画化。五回も映画化されたうちの二作目。50年前の作品だと思うと熱い。主演は吉永小百合と浜田光夫と、純情路線まっしぐらだ。脇を固める俳優の演技も光っていた。82分と手頃にまとまって…

ガメラ 大怪獣空中決戦 デジタル・リマスター版 [DVD] [DVD]評価：C平成ガメラ第一作。95年。思ったよりガメラの顔がかわいい。平成モスラのときも思ったのだが、「プルトニウム」が出てくるあたり、この時代は環境問題が流行っていたんだなとしみじみ。 巫…

黒部の太陽 [通常版] [DVD] [DVD]評価：B日本の高度経済成長を支えた黒部ダムの建設物語。現場パートと日常パートが織り交ぜられている。石原裕次郎と三船敏郎の二大スタアの共演だ。上映時間が200分と長いので、途中で「七人の侍」よろしく休憩が入る。とき…

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書) [新書]著者：三浦展評価：Bいきなり「下流度」チェックから始まり面食らう。あなたは「何流」？調査で得られたデータをもとにして話が進むので、自然と図表が多くなる。そのため、あまりスラスラ読めるとは言え…

中国語はじめの一歩 (ちくま新書) [新書]著者：木村英樹評価：C中国語のテキストとして使うには力不足だが、中国語のことをざっくり知るには良いかもしれない。まさに初めの一歩というべきか。96年発行なのが難。“幸いなことに、中国語は、この「おもしろそ…

生き方―人間として一番大切なこと [単行本]著者：稲盛和夫評価：B稲盛財団記念館でおなじみ稲盛和夫の著書。読みやすい。京セラやKDDIの設立者だったことを知ったのはつい最近のことだった…。どうも実業界の首領は悟りの境地に達する傾向があるらしい。中国…

ダムの科学 -知られざる超巨大建造物の秘密に迫る- (サイエンス・アイ新書) [新書]評価：Cダムについて知りたいキミに。某キャンパスの某購買で平積みにされていた。ダムのダム推しだむ(^o^)ダムの三大目的のうち、「治水」にはあまり目が向けられていないら…

斜陽 (新潮文庫) [文庫]著者：太宰治評価：C相変わらず読点が多いな修治。恒例の巻末解説（太宰治 人と文学）は非常にわかりやすい。母、かず子、直治、上原の四者はそれぞれ、太宰の分身なのかもしれない。直治の遺書と太宰の思いがかぶったような気がした…