2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧
三陸海岸大津波 (文春文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】吉村昭ッシュはまだまだ終わらない。彼の作品には今もなお色褪せない魅力がある。文庫化前のタイトルは「海の壁」だったらしい。ウム、現タイトルの方がひねってなくて記録文学然としておる。彼…
呼鈴の科学 電子工作から物理理論へ (講談社現代新書) [新書]著者:吉田武評価:C【粗評】工作をしながら五感で物理学を感じ取ろうと試みる。創刊号190円の某雑誌みたいにしたらどうかな?「何もかもわかったように簡単に話す人は、専門家ではありません」な…
夜と霧の隅で (新潮文庫) [文庫]著者:北杜夫評価:C【粗評】「岩尾根にて」「羽蟻のいる丘」「霊媒のいる町」「谿間にて」「夜と霧の隅で」の五作を収録。文体に著者らしいひゅーもあを感じるが、全体的に色彩が暗い。【良かった場面/箇所】・・・【問題点…
非線形科学 (集英社新書 408G) [新書]著者:蔵本由紀評価:B【粗評】非線形科学といえば、自然のパターン形成やリズム。乱流、相転移、成長、フラクタル、粉体。う~ん、カオス。素粒子物理学がいかに進んでも、解明できないものがここにある!さて、「非線…
鉱物図鑑 (ベスト新書) [新書]著者:松原聰評価:C【粗評】「あ~オレ知ってるわこれ~ブロシャン銅鉱だわこれ~」と知ったかぶりをしたい人はどうぞ。ラピスラズリの鉱脈を探す旅に出たい人もどうぞ。お気に入りは桜石ですな。自然のパターン形成の妙を見た…
限界集落株式会社 (小学館文庫) [文庫]著者:黒野伸一評価:B【粗評】ふるさと応援系エンタメ。優・正登・美穂フェイズのローテーションで物語が進行。ラストはやったね大団円。若干セリフ回しや展開に芝居じみた感があり、そこまでリアリティはないが、テン…
絶望の裁判所 (講談社現代新書) [新書]著者:瀬木比呂志評価:C【粗評】裁判所組織と裁判官個人、双方の「苦い真実」を暴く。日本人として警戒すべき閉鎖的・階層的構造の闇に触れてみよう。司法にも興味を持つべきかもしれないな。うん。【良かった場面/箇…
漂流 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:A【粗評】吉村昭、見参。主人公は漂流民。綿密な取材と豊かな想像力で描く、12年にわたる漂流記。400頁超の分量を感じさせない。著者の持ち味たる克明な描写からは、作中人物の飢えや渇きが読み手にまで伝わってく…
連合艦隊の使い方―漫画でわかる「連合艦隊のグランドデザインと戦争の現実」 [単行本]著者:横須賀歴史研究室評価:C【粗評】連合艦隊・軍令部(・海軍省・陸軍)をおにゃのこ化し、彼らの確執や戦争構想を描かんとする。もっと漫画成分を多めにしてほしいな…
高橋是清自伝 (上巻) (中公文庫) [文庫]著者:高橋是清 編:上塚司評価:A【粗評】「日本財政の守護神」「だるま宰相」と呼ばれた是清翁が、奇しくも凶手に斃れる年に出版した自伝。上下2巻。上巻の終わり方がこうなったらもう田舎に引込んで、百姓でもする…
ヰタ・セクスアリス (新潮文庫) [文庫]著者:森鷗外評価:C【粗評】主人公の金井湛君が「自分の性欲が、どう萌芽してどう発展したか、つくづく考えて見」ようと「性欲の歴史を書」く。口語体なので安心。下ネタ、中でもホモネタが多いのには閉口。【良かった…
星への旅 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】『鉄橋』『少女架刑』『透明標本』『石の微笑』『星への旅』『白い道』。著者初期の佳品6編を収める。死の臭いに彩られた文学である。まだ記録文学然とはしていないが、冷厳な視線を感じた。中でも『…
この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 [単行本]著者:池上彰評価:B【粗評】出た池上彰。東工大講義三部作の一つ。憲法や金融について概観。学問の文理を問わず「学際的教養」を身につけよ。15章の「君が日本の技術者ならサ…
池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」 [単行本]著者:池上彰評価:B【粗評】出た池上彰。東工大講義三部作の一つ。評価が固まっていないために案外我々の知らない現代史について、考える土台を提供する。 国際編。東西冷戦構造…
下町ロケット (小学館文庫) [文庫]著者:池井戸潤評価:B+【粗評】初池井戸潤。「普通に」おもしろい。おススメしたい。他の作品も読んでみたい。ロケットエンジン研究者の職を辞し佃製作所の社長を継いだ主人公。ナカシマ工業を倒したかと思いきや帝国重工…
殉死 (文春文庫) [文庫]著者:司馬遼太郎評価:B【粗評】司馬に無能無能と言われ続けた乃木希典。「この書きものを、小説として描くのではなく小説以前の、いわば自分自身の思考をたしかめてみるといったふうの、そういうつもりで書く」という司馬節は相変わ…
今上天皇 つくらざる尊厳 級友が綴る明仁親王 [単行本]著者:明石元紹評価:C【粗評】著者は「坂の上の雲」でおなじみ明石元次郎の孫。高校まで陛下と同じく学習院、その後も電話で連絡を取り合いポロをするほどの仲。馬関連の話に共感。彼が綴る、若き日の…
図解雑学 材料力学 [単行本(ソフトカバー)]監修:山口昭夫評価:C【粗評】材力の入門として読んでみた。材力の何たるかがざっくり書いてある。軸方向力、剪断力、曲げモーメントなどの簡単な計算も多め。誤植が多いのが非常に気になる。【良かった場面/箇…
福翁自伝 (講談社学術文庫) [文庫]著者:福沢諭吉 校訂・校注 土橋俊一評価:A【粗評】諭吉が晩年に口述筆記した痛快無比の自伝。もち口語体。当時のにほひが感じられて実によい。文章の軽妙洒脱なところに才を感じる。中津でくすぶっていた少年時代、適塾DQ…
ダイナミック図解 自動車のしくみパーフェクト事典 [単行本]監修:古川修評価:B【粗評】実物写真を大きく載せて自動車各部のメカニズムを解説。自動車のことをわかった気になれる。【良かった場面/箇所】・実物写真を大きく載せて詳しく解説・最近発行・【…