Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

高地文明 「もう一つの四大文明」の発見

高地文明―「もう一つの四大文明」の発見 (中公新書 2647)

【概要】
著者(監督): 山本紀夫

大河周辺だけでなく熱帯高地にも文明と呼べるだけのものはあった。マチュピチュ行った勢としては、その高い文明や独自性に大いに頷けるものがあった。必ずしもユーラシア大陸や西欧だけが偉いわけじゃない! 紙面を借りて他の研究者とレスバしている。

 

【詳細】
<目次>

  • 第1章 歴史教科書の記述は正しいか
  • 第2章 「高地文明」の発見にむけて
  • 第3章 「それは雑草から始まった」―メキシコ中央高原に栄えた石器文明
  • 第4章 ジャガイモが生んだアンデス高地の文明―ティティカカ湖畔にて
  • 第5章 高地文明としてのインカ帝国―天空の帝国が生んだ文明
  • 第6章 チベットの高地文明―チンコーとヤクとチベット仏教
  • 第7章 もうひとつの例―エチオピア高地の文明
  • 終章 「大河文明」説の見直しに迫る


<メモ>

京大探検部に人生を変えられた著者が、山川世界史初出の「四大文明」説に修正を要求する。熱帯高地をはじめとするエリアの高度な耕作技術や栽培植物の品種改良などに関する先人たちの努力を、命がけのフィールドワークで得た臨場感をもって強調し、イモ類の顕彰に努める。青稞(チンコー)。

梅棹忠夫に「おもろいなあ。やっぱり学問は気宇壮大なんがええなあ。やれ、やれ、もっとやれ」と薫陶を受けた模様。

 

わたしはアンデスをはじめ、メキシコ、ヒマラヤ、チベット、そしてエチオピア高地などを訪れ、それぞれの地域の特徴の把握に努めた。そのような調査のなかで、わたしは面白い共通点に気がついた。それは、これらの四地域では、高地で古くから多数の人びとが暮らしてきただけでなく、いずれの地域でも数多くの植物を栽培化し、それらをもとに、それぞれの地域固有の農耕や家畜飼育の方法を発達させ、最終的には「高地文明」とでもいうべき文明を誕生させたのではないか、という共通点だ。

 

これほど多種多様なイモ類が栽培化された地域は世界を見まわしても中央アンデス以外にはほとんど例を見ない。日本における民族植物学のパイオニアである中尾佐助も、多種多様なイモ類を栽培化したアンデス高地の農耕について次のように述べて驚嘆している。

根栽〔イモ類〕農耕文化の環境としては、このアンデス高地はまったく例外的な場所で、こんなところで、よくもイモ類をこれまで開発できたものと、つくづく感嘆されてくる。

 

考古学者で、アンデスの先住民と暮らしをともにして、彼らの食生活を調査した研者は少なくともわたしの知るかぎり、ひとりもいないのだ。

 

トウモロコシの栽培化の歴史を述べたが、ひとつの作物の栽培化には名も知れぬ数多くの人びとによる長い年月(おそらく数千年)の努力があったはずだ。それを忘れてはならない。さらに、地球は広く、そのなかには穀類ではなく、イモ類を主作物として文明を築き上げた地域も存在するのではないか。そのひとつが、アンデス高地であったと私は考えているのだ。

 

これまでの六〇回あまりの海外調査の間には、疲労から急性肝炎を発症し、一ヵ月半もボリビアにある日本人移住地の診療所に入院したり、エクアドルアンデスで崖から滑落して現地で手術をうけて車椅子で急遽帰国したこともあった。

 

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