Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

随筆・日記・書簡・金言集

海軍随筆

海軍随筆 (中公文庫) [文庫]著者:獅子文六評価:B【評】海軍学校見学記。厳しくも暖かな教官たちによって、生徒は海の男に養成される。書かれたのは56戦死から数か月後、1943年頃なのでまだ特攻は始まっていない。「なってる」のように、よく「い」が省略さ…

仰臥漫録

仰臥漫録 (岩波文庫) [文庫]著者:正岡子規評価:A【粗評】子規式死期の見つめ方。敷き布団の上にも四季は来ると見える。「朝ぬく飯二椀 佃煮 梅干牛乳五尺ココア入り 菓子パン数個」式の子規の闘病記。毛筆にて記されたる或る男の生きた証なり。俳句・短歌…

枕草子

枕草子 (岩波文庫) [文庫]著者:清少納言 校訂:池田亀鑑評価:A【粗評】『方丈記』『徒然草』より時代が古いのでなかなか読みにくい。岩波文庫のでは訳はあって無きがごとしなので、講談社学術文庫のを薦める。中宮マジリスペクトなキヨシが、現では苦しく…

養生訓・和俗童子訓

養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) [文庫]著者:貝原益軒 校訂:石川謙評価:B+【粗評】長命・健康原理主義者、益軒ジイサンのありがたいお話。食事・房事など常住坐臥にかかわるあらゆることに対して、中国古典や己の経験、伝え聞いたことを引用しながら、養生…

方丈記

方丈記 (講談社学術文庫) [文庫]著者:鴨長明 訳注:安良岡康作評価:A【粗評】災害語り部おぢさんこと鴨長明。非常にストイック。五つの災禍について語った後、孤高の隠遁生活および心の持ち方について。 世の無常や自己の心の弱さを「抉剔」し尽す。最後に…

三島由紀夫レター教室

三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫) [文庫]著者:三島由紀夫評価:B+【粗評】ユキオ。変態のトビ夫や度し難い トラ一など、5人の登場人物が繰り広げる書簡体の愛憎劇を楽しみながら、同時によい手紙の書き方を学べる(かもしれない)作品。手紙なぞ滅多に書…

日本人を考える

日本人を考える―司馬遼太郎対談集 (文春文庫 し 1-36) [文庫]著者:司馬遼太郎評価:B+【粗評】梅棹忠夫、高坂正堯、陳舜臣、今西錦司ら当時のBIGなゲストたちとシヴァがトーク。関西弁や「たれ」も発動。話しがあっちへ飛んだりこっちへ飛んだり面白い。60'…

留魂録

吉田松陰 留魂録 (全訳注) (講談社学術文庫) [文庫]著者:吉田松陰 訳注:古川薫評価:B+【粗評】身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ぬとも 留置かまし 大和魂 十月念五日 二十一回猛士松陰先生の遺書・留魂録。死を目前に、獄中わずか二日で書き上げた文字通り魂の…

おくのほそ道

英文収録 おくのほそ道 (講談社学術文庫) [文庫]著者:松尾芭蕉 英訳:ドナルド・キーン評価:A【粗評】日本の心をキーンが翻訳。現代語訳はないが時代が下っているので問題なく読める。「夏草や」「閑さや」の俳句・短歌だけでなく、地の文も趣満載。芭蕉が…

論語

論語 (岩波文庫) [文庫]訳注:金谷 治評価:A【粗評】みんな知ってる、孔子と弟子たちの言行録。「学びて時に~」「巧言令色~」「過ぎたるは~」「己れの欲せざる~」など既視感ある金言がズラリと並ぶ。聖人君子を目指し、仁徳を身につけたいキミに。「~…

放浪記

放浪記 (新潮文庫) [文庫]著者:林芙美子評価:C【粗評】生まれが極貧というめずらしいタイプの著者。約五年の日記。かなり読みづらいので100頁くらいで挫折した。「ヘエ、街はクリスマスでございますか」、「神様コンチクショウ」、「バクレツダンでも投げ…

雪 (岩波文庫) [文庫] 著者:中谷宇吉郎【粗評】よもやま雪ばなしのあと、雪の研究のはなし。氷点下の中で行われる研究は、まさに努力の結晶。研究のことを、それなりに詳しく話してくれて、かつ分りやすい。それもそのはず、 読者は自然科学の研究というも…

科学者の自由な楽園

科学者の自由な楽園 (岩波文庫) [文庫]著者:朝永振一郎 編:江沢 洋評価:B+【粗評】朝永&江沢のタッグマッチ。もはや定番。ノーベル賞授賞式欠席ネタも鉄板。朝永の随筆や講演、旅行記を収める。その筆致や語り口からは、公平で暖かで、しずかな人間のす…

徒然草

新訂 徒然草 (岩波文庫) [文庫]著者:卜部兼好評価:A【評】『徒然草』の真価は、著者兼好が、この三つの世界(世俗、仏道、遁世)に自由に出入し、その種々相を、人間としての豊かな関心と興味を以て、具体的、現実的に描き出すとともに、それに即して、自…

人生の短さについて 他二篇

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫) [文庫]著者:Lucius Annaeus Seneca 訳:茂手木元蔵評価:A【粗評】セネカ先輩。『人生の短さについて』『心の平静について』『幸福な人生について』の三篇を収める。表題作がやはりベスト。『自省録』と併せてストア哲学…

君主論

君主論 (講談社学術文庫) [文庫]著者:Niccolò Machiavelli 訳:佐々木毅評価:B【粗評】剣呑な時代を生きたマキアヴェッリ先輩のポッと出の人向け君主論。懇切な講談社学術文庫クオリティで読みやすい。岩波も頑張ろう。冷徹で計算高い君主になりたいキミに…

目に見えないもの

目に見えないもの (講談社学術文庫 94) [文庫] 著者:湯川秀樹評価:B【粗評】戦前に発表された湯川センセイの文章を集める。御謹製の和歌も。彼の慧眼は現代にあっても色褪せない。第一部では素粒子物理学に限らず自然科学一般について。第二部・第三部は来…

アンネの日記

アンネの日記 (文春文庫) [文庫]著者:Anne Frank 訳:深町眞理子評価:A【粗評】日記界の大御所。アンネのメルヘン夢見がち少女イメージが打ち砕かれた。というか、アンネのこと、何も知らなかった…。二年余りの隠れ家生活。不自由な暮らしはもちろん、家族…

孫子

孫子 (中公文庫BIBLIO S) [文庫]著者:孫武? 訳:町田三郎評価:A【粗評】読み継がれる古典、『孫子』。100ページ程度と分量お手軽。情報や兵站の重要さ、用兵の法などについて説く。戦争の費用や将兵の使い方、スパイの効用など、孫ちゃんの現実的な視点が…

読書について

読書について [単行本]著者:小林秀雄評価:B【粗評】たぶん初・小林秀雄。ゴツゴツした文体ですな。文章を読むこと・書くことに関するエッセイが主。「批評の神様」でも読み書きは容易なものではないらしい。【良かった場面/箇所】・好奇心があれば濫読結構…

道をひらく

道をひらく [文庫]著者:松下幸之助評価:A【粗評】松下電器(現パナソニック)創業者・松下幸之助が綴った「時にふれ折にふれての感懐」集。各500字程度。英題『The Path』が簡潔でカッコいい。各話センバツされただけあって精鋭揃いだが、特に『道』と『さ…

西郷南洲遺訓-附・手抄言志録及遺文

西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫) [文庫]編:山田済斎評価:A【粗評】西郷どんのありがた~いお言葉や書簡、手ずから抄出した言志録を収める。「道」や「誠」の大切さを説く。基本的には漢文調。読むスピードを遅くせざるを得ないが、却って寸…

谷崎潤一郎随筆集

谷崎潤一郎随筆集 (岩波文庫 緑 55-7) [文庫]著者:谷崎潤一郎 編:篠田一士評価:A『陰翳礼讃』目当てにBOOKOFFにて購入。350円と値札が貼ってある。 谷崎先生の明晰な文章と卓抜な分析に感嘆した。●「門を評す」よくわからない。●懶惰の説東洋人のもつ本質…

自省録(原題:TA EIS HEAUTON)

自省録 (岩波文庫) [文庫]著者:Marcus Aurelius 訳:神谷美恵子評価:A*世界史Bでおなじみの古代ローマ皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121~180)が遺したメモ書きをまとめたもの。ひみつのノートを暴かれた皇帝には同情を禁じ得ない。書物の性…