評価:A
【粗評】
セネカ先輩。
『人生の短さについて』『心の平静について』『幸福な人生について』の三篇を収める。
表題作がやはりベスト。『自省録』と併せてストア哲学を考究しよう。
「禁欲的」の一語では言い尽くせない深遠な世界がそこには広がっている。
特に意味もなくスマホをいじっているキミに(・ε・)
われわれは短い時間を持っているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。けれども放蕩や怠惰のために消えてなくなるとか、どんな善いことのためにも使われないならば、結局最後になって否応なしに気付かされることは、今まで消え去っているとは思わなかった人生が最早過ぎ去っていることである。
心が或る高く険しいところにあるものに達するには、正気であるかぎり不可能である。心はすべからく陳腐なことから遠ざかり、意気を高め、轡をばりばりと噛み、己れの指揮者を急がせて、かつては自分から恐れて登らなかった高みに引き立てて行くべきである。
幸福な人は、判断の正しくできる者である。幸福な人は、たとえ現況がどうであれ、それに甘んじ、自己の境遇に親しんでいるものである。更に、幸福な人は、自己の生活のすべての在り方を理性から委されている者である。
【学んだこと、生かしたいこと】
心静かに、内的世界の涵養に努めること(・ε・)
明らかにムダなことに時間を費やさぬこと(・ε・)
【その他・リンク】
『自省録』