著者:鴨長明 訳注:安良岡康作
評価:A
【粗評】
災害語り部おぢさんこと鴨長明。非常にストイック。
五つの災禍について語った後、孤高の隠遁生活および心の持ち方について。
世の無常や自己の心の弱さを「抉剔」し尽す。
最後には六〇年かけてやっとたどり着いた方丈の草庵生活をも否定。
少しネガチヴ過ぎないか、長明サン!
原文→現代語訳→注釈→解説 という流れはこの手の本ではベスト。
注釈・解説が異様に詳しく、古典常識・仏教知識はもちろん、
『日葡辞書』や『ロドリゲス日本大文典』 を駆使して当時の言葉の読みや意味まで調べている。
福原遷都が五大災厄に数えられているのがなんとも。