Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

三島由紀夫レター教室

著者:三島由紀夫
評価:B+

【粗評】
ユキオ。
変態のトビ夫や度し難い トラ一など、
5人の登場人物が繰り広げる書簡体の愛憎劇を楽しみながら、同時に
よい手紙の書き方を学べる(かもしれない)作品。
手紙なぞ滅多に書かなくなった現代でも一読の価値あり。

他にも、

「恋愛にとって、最強で最後の武器は「若さ」だと昔から決まっています」
「あらゆる投書狂、身の上相談狂は自分の告白し、あるいは主張していることについて、内心は、本当の解決など求めてはいませんし、また何かの解決を暗示されても、それを心から承服したりはしません」

といった人間世界の真理、

「体の線が崩れて、はみ出したシュークリームみたいになってしまった」
「人生の積極的意欲が、まるでソフト・アイスクリームのように盛りだくさんに盛られていて」
「感傷というのはGパンみたいなもので、十代の子にしか似合わない」
「どうして牛乳配達が牛乳ビンを置いてくみたいに、お嫁さんを配達してくれないんだろう」

などの卓抜な比喩も魅力じゃぞい(・ε・)

私は手紙の第一条件だけを言っておきたい。
それは、あて名をまちがいなく書くことです。 

世の中の人間は、みんな自分勝手の目的に向かって邁進しており、他人に興味を持つのはよほど例外的だ、とわかったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がそなわり、人の心をゆすぶる手紙が書けるようになるのです。