サム・ジーヴァ帝国図書館(Javaさんのお部屋)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

仰臥漫録

著者:正岡子規
評価:A

【粗評】
子規式死期の見つめ方。敷き布団の上にも四季は来ると見える。

「朝
ぬく飯二椀 佃煮 梅干
牛乳五尺ココア入り 菓子パン数個」

式の子規の闘病記。
毛筆にて記されたる或る男の生きた証なり。
俳句・短歌や絵からは非凡さがうかがへる。

雀トラップや病床サロン、そして飯が生き甲斐。
たまに散文挿入さる。胸に迫るものあり。
母妹への複雑な感情もちゃんと書く。
自殺を考えたことも告白す。

「浴衣一枚になつて一杯やりたいと思うた」
「癇癪起りやけ腹になりて牛乳餅菓子などを貪り腹はりて苦し」
「もう三ケ月の運命だとか半年はむつかしいだろうとか言ふてもらひたい者ぢや」
「飯もいつもの如くうまからず 食ひながら時々涙ぐむ」
「午後ふと精神激昂夜に入りて俄に激しく乱叫乱罵するほどに頭いよいよ苦しく狂せんとして狂する能はず独りもがきて益苦む」
「余は俄に精神が変になつて来た「さあたまらんたまらん」「どーしやうどーしやう」と苦しがって少し煩悶を始める」
「柩の前にて空涙は無用に候 談笑平生の如くあるべく候」
「人の来ぬ時は新聞を見るのが唯一のひまつぶしぢや」
「この日始めて腹部の穴を見て驚く 穴といふは小き穴と思ひしにがらんどなり 心持悪くなりて泣く」