【概要】
著者(監督):孫太蔵
まさよしの弟。
引用につぐ引用により、教育の歴史を振り返り、これからの教育はどうあるべきか、いかに生くべきかを問いかける。
たいぞう君がタイムスリップ? して教育の歴史をラーニング/アンラーニングする方式。銅版画っぽい挿絵でキッズ向け感を醸し出しつつ、コメニウス、ホッブズ、フーコー、ルソー、オーウェン、デュシャン、荘子、親鸞、エクスキュル、ガンジー、内村鑑三などの賢人との対話や自問自答で思索を深める。
曰く、近現代の人間が直面する問題とは、
1 「学び」から「遊び」が分かれて、どっちもつまらないものになってしまったこと
2 「能力」や「才能」という概念がやる気を失わせてしまうこと
3 能力信仰やメリトクラシーがドロップアウトを生み出しやすい原因となっていること
4 本来は必要のないペシミズムにおちいった不幸な子供たちが生まれ続けること
5 最終的にはほとんどの人の仕事が人工知能にとってかわられてしまうこと
クラス分けやライフステージによる画一的で個別性を無視したグルーピング、能力信仰・メリトクラシーがその表れだと。
今までは「役に立つ」ことを追いかけてきたが、未来では何が役に立つのか不明。そんなら楽しめることをやるべき、ということで、
つまり、私たちは、好きなことだけして生きていくべきなのです。
と宣言。
僕がこの文章でたくさんの先人たちを紹介してきた理由、それは、彼らの生涯を知ることによって僕がどれだけ勇気づけられたかを伝えて、これを読む人を勇気づけたかったからでした。
偉大なる先人たち、同時代の同志たち、そして自分の仲間たちの人生がいかに「勇ましく高尚なるもの」だったかを伝えること。そして自分の生涯を通して、自分が生きた「意味」のうつり変わりを見せていくこと。それこそが教育であり、善く生きるということであり、公共の利益であり、人生を賭けてとりくむに値することなのだと結論づけたいと思います。
世界は変えられる。
自分が変わりさえすれば、いつだって変えられる。
現在や過去、未来の仲間と一緒なら、なんだってできる。
私たちは地上では欠けた弧。蒼穹の大きな螺旋に連なる一辺の小さな弧。
たとえ一部にしかなれずとも、後に続く者がいつかそれを完成してくれる。
人が学ぶ理由、それは、
( )
☝キミの目で確かめろ!
給与は? 具体的には? しかしどうすれば? というツッコミはあるが、それが分かれば苦労(苦悩)はしない。オトナは現代社会や仕事観・人生観を見つめ直すきっかけになるかも。年若いうちに読んだほうがいいかもしれない。
【詳細】
<目次>
- はじめに
- 父からの手紙
- 第1章 解き放とう 学校ってなんだ?
- 第2章 秘密を解き明かそう なんで学校に行くんだっけ?
- 第3章 考えを口に出そう なぜ大人は勉強しろっていうの?
- 第4章 探究しよう 好きなことだけしてなぜいけないの?
- 第5章 学びほぐそう じゃあ、これからどうすればいいの?
- おわりに 新しい冒険へ
- 旅の仲間たちへの謝辞
- 世界に散らばる冒険の書たち
- 本書の問い
- 参考文献
<メモ>
まさかの鑑三引用。