【概要】
著者(監督):ちいさな美術館の学芸員
企画展・コレクション展の興行・催行、作品の貸し借り、図録の制作・販売などの日の当たる部分はもとより、受付、広報、展示、運搬、修復など、普段の「雑芸員」的マルチタスクの一端を垣間見られる。大型企画は主に新聞社で、メインは調査研究と小中規模の企画展、作品の展示・保存になる模様。こう言ったらあれだが、意外とインテリな職業なのだ。なるのは簡単だが、採用は渋い。
「モノ(美術作品、文化財、歴史資料)の守り人」の著者、美術館を楽しむポイントを挙げている。それは「揺れ動く自分の感情に身を任せること」「分からないという状態を楽しむこと」。鑑賞方法として「まずはぐるっと会場を最後まで回ってみる」こともオヌヌメしている。
現代に蔓延するコスパ・タイパへの反抗、ジェネラリストは逃げという戒めの言葉も印象的であった。
【詳細】
<目次>
- 第1章:一つの展覧会ができるまで(展覧会の種類 大きく分けると「企画展」「コレクション展」の二つ、だったのですが;準備 展覧会の準備ってどれくらい前から始めるの? ほか)
- 第2章:学芸員という仕事の舞台裏(学芸員って、あの美術館の端っこに座ってる人?;狭き門の学芸員になるためには ほか)
- 第3章:美術館をもっと楽しむためのヒント(アートは難しい。それは学芸員でも同じです;アートは無駄だし役に立たない、とあえて言ってみる ほか)
- 第4章:美術館をささえる仲間たち(美術館の最前線に立つ受付スタッフ;デザイナーと学芸員は二人三脚 ほか)
<メモ>
文化庁によれば:
美術館、実は広義の博物館の定義に含まれており、美術館、民俗資料館、動物園・水族館、狭義の博物館はみな「博物館」扱いになるらしい。