Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

吉村昭

冬の鷹

著者(監督):吉村昭 【概要】 『ターヘル・アナトミア』翻訳の中心人物・前野良沢と杉田玄白の好対照な人生を描く。物語を彩る色はいつも灰色で、冬の寒風が絶えることなく吹きつづけている。 【詳細】M.Liotack、五十の手習い。 冷静に考えてみれば、それ…

冷い夏、熱い夏

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫) [文庫] 著者(監督):吉村昭【概要】実弟の闘病を、ときに冷たくときに熱い筆致で記述する。ガンであることを隠されたまま衰弱する弟を見ていると、『病院で死ぬということ』を思い出さずにはいられなかった。ただ、この著者の作…

死顔

死顔 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭【概要】老境に達した著者の小品を取り揃える。一度死の淵をさまよった若き日の原体験、老いと死に向き合っていく心境が窺い知れて興味深い。巻末には妻の津村節子が登場。文学者夫婦には憧れる。【詳細】『ひとすじの煙…

高熱隧道

高熱隧道 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B+【概要】黒部ダム(第三)建設のドラマ。峻険な峡谷、煮えたぎる鉄砲水、炸裂する泡(ホウ)雪崩。三百の屍を乗り越え困難を突破していく土木技術者の矜持と孤独に、胸が熱く、冷たくなる。【詳細】かれらは…

ふぉん・しいほるとの娘

ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】アキラ史上最長クラスの長編。厚い。長崎の夏よりも厚い。お滝さん-お稲さん-高子さんの薄幸女三代(比率 1.95 : 8.00 : 0.05)と、彼女たちを翻弄した時代を詳細なデータを交え…

対談集「気骨」について

対談集「気骨」について (新潮文庫) [文庫]著者:城山三郎評価:B【粗評】人づき合いが悪い割りに、私は人間が好き。それも、これはと思う人にお会いし、それこそ、相手の眼を見て、じっくり話を伺いたいし、すてきな人のすてきな話は、私だけでなく、多くの…

陸奥爆沈

陸奥爆沈 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】アッキー参上。厖大な資料や談話をもとに、戦艦陸奥が爆沈するに至った過程とその事後処理を追体験する。その筆致には、人間の営みを“記録しよう”とする執念がありありと感じられる。洋上に浮かぶ鉄の…

三陸海岸大津波

三陸海岸大津波 (文春文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】吉村昭ッシュはまだまだ終わらない。彼の作品には今もなお色褪せない魅力がある。文庫化前のタイトルは「海の壁」だったらしい。ウム、現タイトルの方がひねってなくて記録文学然としておる。彼…

漂流

漂流 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:A【粗評】吉村昭、見参。主人公は漂流民。綿密な取材と豊かな想像力で描く、12年にわたる漂流記。400頁超の分量を感じさせない。著者の持ち味たる克明な描写からは、作中人物の飢えや渇きが読み手にまで伝わってく…

星への旅

星への旅 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B【粗評】『鉄橋』『少女架刑』『透明標本』『石の微笑』『星への旅』『白い道』。著者初期の佳品6編を収める。死の臭いに彩られた文学である。まだ記録文学然とはしていないが、冷厳な視線を感じた。中でも『…

羆嵐

羆嵐 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:C【粗評】吉村昭先生が苫前羆事件の顚末を描く。雪に埋もれた村の貧しい開拓民たちがスプラッタなことになっていく様には心が痛んだ。が、それも銀四郎が登場するまでの我慢だ。駆逐してやる!一匹残らず!【良かっ…

戦艦武蔵

戦艦武蔵 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B九州の漁場。戦艦とは何の連関もなさそうな、棕櫚の買占めから物語は始まる。『零式戦闘機』でははじめに牛が登場したが、本書と同様の手法だ。題材として、「大和」ではなくその同型艦である「武蔵」が選ばれ…

零式戦闘機

零式戦闘機 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B歴史の冷徹な記録者・吉村昭が零戦の生涯を克明に描く。開戦時は圧倒的な航続力・格闘力で米英中の戦闘機を屠りに屠った零戦。その蔭には数多の人間の苦闘があった。海軍の過大な性能要求と闘いながら試行錯…

関東大震災

関東大震災 (文春文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B九月一日と言えば防災の日。九十年前の帝都が壊滅した日だ。本書は「地震発生――二十万の死者」「第二の悲劇――人心の錯乱」「復興へ」の三部構成からなる記録文学である。当時の日記や詳細な数字、被災者の証…

破獄

破獄 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭評価:B昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。昭和の混乱期に四度の脱獄を行った脱獄魔・佐久間清太郎。モデルは白鳥由栄という実在の人物。時勢の変化を参…

漂流記の魅力

漂流記の魅力 (新潮新書) [新書]著者:吉村昭評価:C数カ月漂流したのち、クッソ寒い極北に漂着した同胞たちの苦難を思う。焦点の当てられている人間が違うとはいえ、内容が大体カブっているので、感想は後述(予定)の『おろしや国酔夢譚』に譲る。