Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

神話・宗教・思想・哲学

近代日本思想案内

近代日本思想案内 (岩波文庫 (別冊14)) [文庫]著者:鹿野政直評価:B+【粗評】啓蒙思想や国体論、社会主義など14のテーマについて、幕末~戦後の思想の変遷をたどった労作。日本思想史の手引き。文献の引用と説明、コメントの割合がグッド。付言「言論法規」…

詩学・詩論

詩学 (岩波文庫) [文庫]著者:アリストテレース・ホラーティウス評価:B+【粗評】アリストテレスによる悲劇理論。悲劇の構成要素を、豊富な具体例を引きながら子細に解説するぞ。ホメロスの愛されぶりに、訳注の多さに、そして古代希臘の隆盛ぶりに驚くなか…

ツァラトゥストラはこう言った

ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2) [文庫]著者:ニーチェ 訳:氷上英廣評価:B【粗評】題名だけ有名なニーチェの著書。神がよく死ぬ。たびたび嘔吐する。既成の概念や常識が打ち砕かれる。「超人」と「永遠回帰」がテーマらしい。冒頭に…

「いき」の構造 他二篇

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫) [文庫]著者:九鬼周造評価:B+【粗評】日本の詩歌・散文を大量に引用しつつ、二元論、三段階説を武器に和魂洋才で日本的概念についてカッチリ構造解析。表紙にもある直方体や正八面体の概念図が出現したときの衝撃を、キミ…

量子力学の哲学-非実在性・非局所性・粒子と波の二重性

量子力学の哲学――非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書) [新書]著者:森田邦久評価:B【粗評】「本書の目的は、量子力学が私たちに示す世界像についてこれまで提案されてきた様々な哲学的議論を解説することにある」。1、2章のミクロ世界の…

国家

国家〈上〉 (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:藤沢令夫評価:A【粗評】プラトン渾身の著作。ギリシャの光と風が紙からにじみ出ている(マジです)。「〈正義〉とは何か」から始まる議論は、国家論・イデア論と移りながら、読者を思索の旅に誘う。登場人…

ギリシャ

Jove-san、Jiro-niki、Java-sanの3J-Meteora旅行記(8/10~16) 【概要】キーワード: げんきやなあ~(・ε・) 概要:ギリシャのメテオラに行ってきました。 40℃近い暑熱の中、6つの修道院すべてを踏破しました。 恰幅のいいオジさんオバさん、夜の広場ではで…

日本の思想

日本の思想 (岩波新書) [新書]著者:丸山真男評価:A【粗評】1961年刊。まさおの50年超ロングセラー。『日本の思想』ほか三篇を収める。欧米文化・思想・技術の吸収、「國體」の創出など、開国後の日本は性急な近代化を推し進めた。その近代化を可能にし、近…

ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者

ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書) [新書]著者:矢野久美子評価:B【粗評】H.A.の生涯と各段階の著作解説が同時進行。デガーとのロマンス、収容所脱出、そして著作の発表。ユダヤ人の仲間から排斥されることをも辞さない彼…

人生の短さについて 他二篇

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫) [文庫]著者:Lucius Annaeus Seneca 訳:茂手木元蔵評価:A【粗評】セネカ先輩。『人生の短さについて』『心の平静について』『幸福な人生について』の三篇を収める。表題作がやはりベスト。『自省録』と併せてストア哲学…

君主論

君主論 (講談社学術文庫) [文庫]著者:Niccolò Machiavelli 訳:佐々木毅評価:B【粗評】剣呑な時代を生きたマキアヴェッリ先輩のポッと出の人向け君主論。懇切な講談社学術文庫クオリティで読みやすい。岩波も頑張ろう。冷徹で計算高い君主になりたいキミに…

西田幾多郎-「絶対無」とは何か

西田幾多郎―「絶対無」とは何か (シリーズ・哲学のエッセンス) [単行本]著者:永井均評価:C【粗評】磯野~哲学しようぜ~。『善の研究』は1ページ目で投げたのでとりあえず解説書を読んでみようと。著者曰く、わかりやすい解説ほどつまらないものはない。そ…

ソクラテスの弁明・クリトン

ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:久保勉評価:A【粗評】『ソクラテスの弁明』とその続編とも称すべき『クリトン』とは、『ファイドン』と共に、この世界史上類なき人格の、人類の普遍の教師の生涯における最も意義深き、最…

五輪書

五輪書 (岩波文庫) [文庫]著者:宮本武蔵 校注:渡辺一郎評価:B【粗評】剣豪オブ剣豪の武蔵宮本が晩年に記した奥義書。戦国無双しようぜ! と頻りに二刀流を薦めてくる。あるべき心の持ち方や姿勢、先手を取ることの重要さを説く。各話を「能々吟味 or 鍛練…

孫子

孫子 (中公文庫BIBLIO S) [文庫]著者:孫武? 訳:町田三郎評価:A【粗評】読み継がれる古典、『孫子』。100ページ程度と分量お手軽。情報や兵站の重要さ、用兵の法などについて説く。戦争の費用や将兵の使い方、スパイの効用など、孫ちゃんの現実的な視点が…

方法序説(原題:DISCOURS DE LA METHODE)

方法序説 (岩波文庫) [文庫]著者:Rene Descartes 訳:谷川多佳子評価:B+【粗評】<我思う、故に我あり~Cogito ergo sum~>でおなじみの近代合理精神の立役者デカルト大先生が、「き~づいちゃったき~づいちゃったワ~イワイ」とばかりに、理性によって自分…

菊と刀(原題:THE CHRYSANTHEMUM AND THE SWORD)

菊と刀 (講談社学術文庫) [文庫]著者:Ruth Benedict 訳:長谷川松治評価:B【粗評】ベネおばさんの日本人論。必ずしも日本人の本質を言い当てているわけではないが、日本を一度も訪れたことがない筆者がこれを書いたと思うと、その慧眼には感服せざるを得な…

これからの「正義」の話をしよう (原題:JUSTICE - What's the Right Thing to Do?)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [ペーパーバック]著者:Michael J. Sandel 訳:鬼澤忍評価:B「これから」ではなく「これから【の】」正義の話をしてくれる。やや難解か?「正義」に対して、福祉(最大多数の最大幸福)・…

自省録(原題:TA EIS HEAUTON)

自省録 (岩波文庫) [文庫]著者:Marcus Aurelius 訳:神谷美恵子評価:A*世界史Bでおなじみの古代ローマ皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌス(121~180)が遺したメモ書きをまとめたもの。ひみつのノートを暴かれた皇帝には同情を禁じ得ない。書物の性…

池上彰の宗教がわかれば世界が見える

池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書) [単行本]著者:池上彰評価:B著者が宗教家7人と対談。三大宗教および神道について、少しわかる。個人的には、『世界は宗教で動いてる』より楽しく読めた。なかでも坊さん2人の話が興味深かった。

世界は宗教で動いてる

世界は宗教で動いてる (光文社新書) [新書]著者:橋爪大三郎評価:Bタイトルがやや口語的なのはおいといて、著者の名前から漂う大物オーラにまず目がいくよ。対話風の文章で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、儒教、神道といった主だ…

海と毒薬

海と毒薬 (新潮文庫)著者:遠藤周作評価:A*自分の遠藤周作3作目。彼の作品の新たな魅力に気づかされた。全部で200ページ足らずということもあり、尾道-大阪間で読み切ってしまった。著者が基督(こう書くだけで手軽イケメン)教徒ということも手伝って…

武士道

武士道 (岩波文庫)著者:新渡戸稲造(矢内原忠雄)評価:A旧5000円札でおなじみの稲造先生が英語で書いた、武士道の解説書だよ。訳者によると、原文は「時にゴツゴツと思われるくらいに簡潔雄勁」らしいで。わが日本の話のみならず、古今東西の人物や故…