Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

神話・宗教・思想・哲学

論理哲学論考

論理哲学論考 (岩波文庫) [文庫]著者:ウィトゲンシュタイン 訳:野矢茂樹評価:B【評】思考の限界、私の世界の限界。それは、言語の限界、論理の限界であるとの考えが示される。論理空間、真理関数などの数学チックな話になると撃沈。およそ語られうること…

パイドン

パイドン―魂の不死について (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:岩田靖夫評価:B+【評】死を目前に控えたソクラテスと集まった弟子たち。哲学者は「純粋な思惟それ自体のみを用いて、存在するもののそれぞれについて純粋なそのもの自体のみ(真実在)を追…

意識と本質

著者:井筒俊彦【評】 東洋哲学――その根は深く、歴史は長く、それの地域的拡がりは大きい。さまざまな民族の様々な思想、あるいは思想可能体、が入り組み乱れて、そこにある。 東洋哲学の諸伝統を、時間軸からはずし、それらを範型論的に組み換えることによ…

ふしぎなキリスト教

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書) [新書]著者:橋爪大三郎×大澤真幸 評価:B【評】「二段ロケット」「愛のゲーム」などの例えを用いながら、素朴なギモンやつっこんだ質問を繰り出して、一神教と関係が薄い日本人の特権を生かして、対談形式でキリスト教…

人生論ノート

人生論ノート (新潮文庫) [文庫]著者:三木清評価:B+【評】三木清。幸福、個性、虚無と実在、肉体と精神…。断章から滲みだす実践的な哲学。鳥の歌うが如くおのずから外に現われて他の人を幸福にするものが真の幸福である。人間の実在性を証明しようとする者…

日本仏教 思想のあゆみ

日本仏教 思想のあゆみ (講談社学術文庫) [文庫]著者:竹村牧男評価:B【評】聖徳太子から鎌倉仏教までの、仏教理論の大伽藍の数々を見よ。どうも宗教哲学っていうのは物事をいたづらに難しくしてる気がするなあ、というわけで単純明快な「歎異抄」あたりを…

歎異抄

歎異抄 (岩波文庫 青318-2) [文庫]著者:唯円 校注:金子大栄評価:A【評】親鸞聖人のお言葉集。そして異を歎く抄。如来の阿弥陀に、他力の本願に、身も心も委ねてしまおう。善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや。自力のこころをひるがへして、他力を…

メノン

メノン (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:藤沢令夫評価:B+【評】「人間の徳性というものは、はたしてひとに教えることのできるものであるか」というテーマで漫才を繰り広げる。かなり読みやすい。「正しい思わく」というジョーカーが出現して論争は解決…

パイドロス

パイドロス (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:藤沢令夫評価:B【評】論A(劣)→論B(優)というプラトン大好きな戦法。まず共通理解をたしかめてから議論に臨もう。輪廻観の話もおもしろい。お互いにちゃんと同意を得ておかないものだから、さて先に進ん…

イスラーム文化

イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫) [文庫]著者:井筒俊彦評価:A【評】人間存在のあらゆる局面を通じて、終始一貫して『コーラン』に現れている神の意志を実現していくこと、それがイスラームの見る宗教生活なのであります。イスラーム教徒が歴…

西田幾多郎随筆集

西田幾多郎随筆集 (岩波文庫) [文庫]著者:西田幾多郎 編:上田閑照評価:B+【評】哲学者・西田幾多郎ではなく人間・西田幾多郎の姿を知りたいキミに。意外とするする読める。家族との死別、教師・友人との死別。西洋哲学と東洋思想、そして人生の悲哀が結び…

眠れないほどおもしろい哲学の本

眠れないほどおもしろい哲学の本: もう一歩「前向き」に生きるヒント (王様文庫) [文庫]富増 章成三笠書房2012-07-27著者:富増章成評価:B【評】平易で軽めな哲学概説本。西欧哲学史の流れと、主要哲学者およびその思想をおおづかみ。タレスからサンデルま…

不完全性定理

ゲーデル 不完全性定理 (岩波文庫) [文庫]著者:ゲーデル 訳・解説:八杉満利子 林晋評価:B【評】ゲー出るくらい難解。ヒルベルトを中心に19世紀末~20世紀前半の数学史・数学基礎論を解説。門外漢には解説すらよくわからないという悲劇。もはや哲学ですわ。…

日本的霊性

日本的霊性 完全版 (角川ソフィア文庫) [文庫] 著者:鈴木大拙【評】大拙の和文著書。文体の、英文の和訳との違和感のなさに驚くがよい。硬質で歯切れの良い文体(「突入」「爆砕」)とともに、キミも東洋思想を再評価する旅に出よう。「精神と物質の世界の…

ハイデガー

ハイデガー 存在の歴史 (講談社学術文庫) [文庫]著者:高田珠樹評価:B【粗評】ハイデガーが、本来的な歴史性として考えていることは、ほぼこのように纏めることができるだろう。自分を貫き、自らの生活を統御している力、過ぎ去ったはずのものに由来しなが…

饗宴

饗宴 (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:久保勉評価:B+【粗評】暇人たちがエロス賛美議論を繰り広げる。五人のビミョーな演説後に満を持してソクラテス登壇、という劇的な構成にはプラトンの計算を感じずにはいられない。エロスはエロいエラい。美の本質…

般若心経・金剛般若経

般若心経・金剛般若経 (岩波文庫) [文庫]訳註:中村元 紀野一義評価:B+【粗評】サンスクリット原典の和訳と、漢訳およびその書き下し文を掲載。漢訳はそれぞれ、玄奘およびクマラ(・ε・)ジーヴァのものぢゃぞい。『般若』では、おのれを包み込む世界とひ…

時間の本

時間の本 [単行本]著者:立木鷹志評価:B【粗評】哲学・科学・文学・夢における「時間」を考える。著者曰く、「時間についての座談会」。「内的時間」が「客観的時間」に変換されてきた過程がわかるぞい。時計の話や夢の中での時間の話は、わりと特徴的だと…

中庸

中庸 (講談社学術文庫) [文庫]著者:子思 訳注:宇野哲人評価:A【粗評】子程子曰、不偏之謂中、不易之謂庸。中者天下之正道、庸者天下之定理。不偏不倚にして過不及無く、時に随い変に処してその宜しきに叶う、「中庸」の徳を身につけたいキミに。科挙を受…

時と永遠

時と永遠 他八篇 (岩波文庫) [文庫]著者:波多野精一評価:B+【粗評】京都学派×宗教哲学。「亡き妻の記念に」が効く。脳内に哲学回路を構築したいキミに。序盤の「自然的時間性」の躍動感でつかみはOK.「壊滅」「突進」「墜落」「驀進」「葬り去る」「消え失…

禅と日本文化

禅と日本文化 (岩波新書) [新書]著者:鈴木大拙 訳:北川桃雄評価:B+【粗評】Zen広報部長の大拙が、日本の美術・剣道・茶道その他の底に流れる、Zenの影響を探る。序文は西田幾多郎。ZenZenふたりはプリキュアMaxHeart。説話や作品の引用がとても多いので、…

タオ 老子

タオ―老子 (ちくま文庫) [文庫]著者:加島祥造評価:B+【粗評】「無為」――為スナカレこれは何もするな、ってことじゃない。余計なことはするな、ってことだよ。小知恵を使って次々と、あれこれの事を為スナカレ、ってことだよ。私たちが手を出さなくとも、タ…

哲学の謎

哲学の謎 (講談社現代新書) [新書]著者:野矢茂樹評価:B【粗評】プラトンよろしく対話篇風に、実在・時間・体験などいろいろなテーマについて、二人ややゆるふわに哲学する。我々が普段とりあえずそのまままにして深く考えないようにしている常識がゆらぐ。…

空海の思想について

空海の思想について (講談社学術文庫) [文庫]著者:梅原猛評価:B+【粗評】空海は(中略)仏教がもっていたこの現世にたいする否定精神を否定する。それが密教の精神であり、それこそ、大乗仏教の究極的精神であると彼はいう。世界というものはすばらしい。…

古事記

古事記 (岩波文庫) [文庫]校注:倉野憲司評価:B+【粗評】あなにやし、えをとめを。あなにやし、えをとこを。書き下し文、意外と読みやすいので感動。「天地開闢」を「あめつちひらけしとき」と読み、「イザナキ」を「伊邪那岐」と書くあたりに日本人の「能…

マンガ日本の古典 古事記

古事記―マンガ日本の古典 (1) 中公文庫 [文庫]著者:石ノ森章太郎評価:B+【粗評】まさかの章太郎。原作の上つ巻のみ。おもしろいとこをふくらませつつ、どーでもいいとこをカットしつつ。意外と女の子キャラがかわいい。

西田幾多郎

西田幾多郎 無私の思想と日本人 (新潮新書) [新書] 著者:佐伯啓思【粗評】西田哲学と啓思の文字に惹かれて。曰く、 私は夜更かしな性分なので、夜中に何か眠たくなるものでもと思って西田の書いたものを読み出したのです。ところが眠くなるどころか、実に充…

善の研究

善の研究 (岩波文庫) [文庫] 著者:西田幾多郎評価:A【粗評】国産近代哲学の原点。 プラトー、アウグスチヌス、デカルト、カント、ヘーゲル、ゲーテの言葉や聖書の文句を引用しながら、 西田哲学のエッセンスを注入。 もともとが講義の草案であるためか、 …

禅 (ちくま文庫) [文庫]著者:鈴木大拙 訳:工藤澄子評価:A【粗評】Zen. KANZOやINAZOの系譜を継ぐ英文著作。DAISETSU曰く「一読すれば、大体、近代的に禅の何たるかを知得することができる」。たびたび挿入される気違い禅問答が論理を打ち砕く。おそらく禅…

イスラーム生誕

イスラーム生誕 (中公文庫) [文庫]著者:井筒俊彦評価:A【粗評】いかにして、なぜ、ジャーヒリーヤ(無道)時代から天翔ける奔馬のごとくイスラーム世界が誕生したのか、そして、イスラームはどのような宗教的性格をもっているのか。イスラームの碩学・井筒…