Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

方法序説(原題:DISCOURS DE LA METHODE)

著者:Rene Descartes 訳:谷川多佳子
評価:B+

【粗評】
<我思う、故に我あり~Cogito ergo sum~>でおなじみの近代合理精神の立役者デカルト大先生が、
「き~づいちゃったき~づいちゃったワ~イワイ」とばかりに、理性によって自分の生を導いてきたこと、真理に近づいてきたことを教えてくれる。できるかぎりよく判断すればそれが最善とのことである。
薄くて実によい。
ブロックを積み上げていくがごとき考え方に西洋近代合理精神の魔力を感じたが、同時に息が詰まるような感もあった。近代合理精神の見直しが叫ばれているのも納得だ。

堅い話が続くかと思えば、
「冬がまだ終わらぬうちに、わたしは再び旅に出た。こうしてその後まる九年の間、世界で演じられるあらゆる芝居のなかで、役者よりはむしろ観客になろうと努め、あちこち巡り歩くばかりだった」
と若干の中二感を滲ませているところにほっこり。
数学その他に果たした役割も特筆すべきものがあるデカルト先生、ごりっぱ!

【良かった場面/箇所】
・近合精のなんたるかを自身の来歴も交えながら紹介
・100ページ程度と薄い


【問題点・疑問点】
・第五部、心臓や血液循環の持論を自信満々に語る。
・神の存在の説明に納得できず。


【その他】