Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

岩波文庫

イスラーム文化

イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫) [文庫]著者:井筒俊彦評価:A【評】人間存在のあらゆる局面を通じて、終始一貫して『コーラン』に現れている神の意志を実現していくこと、それがイスラームの見る宗教生活なのであります。イスラーム教徒が歴…

茶の本

茶の本 (岩波文庫) [文庫]著者:岡倉寛三 訳:村岡博評価:B【評】茶湯は寂寞たる人世の荒野における沃地であった。疲れた旅人はここに会して芸術鑑賞という共同の泉から渇をいやすことができた。茶の湯・ザ・天心。英文著作の系譜に連なる。西洋を煽りなが…

西田幾多郎随筆集

西田幾多郎随筆集 (岩波文庫) [文庫]著者:西田幾多郎 編:上田閑照評価:B+【評】哲学者・西田幾多郎ではなく人間・西田幾多郎の姿を知りたいキミに。意外とするする読める。家族との死別、教師・友人との死別。西洋哲学と東洋思想、そして人生の悲哀が結び…

不完全性定理

ゲーデル 不完全性定理 (岩波文庫) [文庫]著者:ゲーデル 訳・解説:八杉満利子 林晋評価:B【評】ゲー出るくらい難解。ヒルベルトを中心に19世紀末~20世紀前半の数学史・数学基礎論を解説。門外漢には解説すらよくわからないという悲劇。もはや哲学ですわ。…

ルバイヤート

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1) [文庫]著者:オマル・ハイヤーム 訳:小川亮作評価:A【評】世の無常・無情をかこつ千年前の万能の人。彼らにはめずらしく神や世界をdisっていくスタイル。無常をかこちながらも酒と美少年など、現世はしっかり楽しむ複雑…

寺田寅彦随筆集

寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫) [文庫] 著者:寺田寅彦【粗評】名文で綴られるテラトラの随筆。少ししっとりしていて決して読みやすくはないが、高雅な感じがある。そして各随筆の最終段落が効く。さあ頁を繰ると『どんぐり』。いきなりの名随筆出現。一…

仰臥漫録

仰臥漫録 (岩波文庫) [文庫]著者:正岡子規評価:A【粗評】子規式死期の見つめ方。敷き布団の上にも四季は来ると見える。「朝ぬく飯二椀 佃煮 梅干牛乳五尺ココア入り 菓子パン数個」式の子規の闘病記。毛筆にて記されたる或る男の生きた証なり。俳句・短歌…

枕草子

枕草子 (岩波文庫) [文庫]著者:清少納言 校訂:池田亀鑑評価:A【粗評】『方丈記』『徒然草』より時代が古いのでなかなか読みにくい。岩波文庫のでは訳はあって無きがごとしなので、講談社学術文庫のを薦める。中宮マジリスペクトなキヨシが、現では苦しく…

養生訓・和俗童子訓

養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) [文庫]著者:貝原益軒 校訂:石川謙評価:B+【粗評】長命・健康原理主義者、益軒ジイサンのありがたいお話。食事・房事など常住坐臥にかかわるあらゆることに対して、中国古典や己の経験、伝え聞いたことを引用しながら、養生…

新美南吉童話集

新美南吉童話集 (岩波文庫) [文庫]著者:新美南吉 編:千葉俊二評価:B+【粗評】夭折度120%の南吉。『ごん狐』『手袋を買いに』を含む14作品を収録。どうやら南吉、狐がすきらしい。派手さはないがじんわりと胸に迫ってくるものがある。方言が演出する登場人…

饗宴

饗宴 (岩波文庫) [文庫]著者:プラトン 訳:久保勉評価:B+【粗評】暇人たちがエロス賛美議論を繰り広げる。五人のビミョーな演説後に満を持してソクラテス登壇、という劇的な構成にはプラトンの計算を感じずにはいられない。エロスはエロいエラい。美の本質…

一茶俳句集

一茶俳句集 (岩波文庫) [文庫]著者:小林一茶 校注:丸山一彦評価:B+【粗評】ISSAの俳句を2000句収録。蛍、雀、烏、猫、馬などのアニモウズや子どもの無邪気な動き、庶民のつつましい暮らしを写し取っているぞい。【雀系】五六間 烏追けり 親雀我と来て 遊…

般若心経・金剛般若経

般若心経・金剛般若経 (岩波文庫) [文庫]訳註:中村元 紀野一義評価:B+【粗評】サンスクリット原典の和訳と、漢訳およびその書き下し文を掲載。漢訳はそれぞれ、玄奘およびクマラ(・ε・)ジーヴァのものぢゃぞい。『般若』では、おのれを包み込む世界とひ…

小僧の神様

小僧の神様―他十篇 (岩波文庫) [文庫]著者:志賀直哉評価:B+【粗評】小説の神様が小僧の神様を書いた。静謐な涼やかな掌説を読みたいキミに。『清兵衛と瓢箪』や『城の崎にて』あたりは有名か。なお本作が割合好評だったため、『暗夜行路』への遠征が閣議決…

時と永遠

時と永遠 他八篇 (岩波文庫) [文庫]著者:波多野精一評価:B+【粗評】京都学派×宗教哲学。「亡き妻の記念に」が効く。脳内に哲学回路を構築したいキミに。序盤の「自然的時間性」の躍動感でつかみはOK.「壊滅」「突進」「墜落」「驀進」「葬り去る」「消え失…

古事記

古事記 (岩波文庫) [文庫]校注:倉野憲司評価:B+【粗評】あなにやし、えをとめを。あなにやし、えをとこを。書き下し文、意外と読みやすいので感動。「天地開闢」を「あめつちひらけしとき」と読み、「イザナキ」を「伊邪那岐」と書くあたりに日本人の「能…

善の研究

善の研究 (岩波文庫) [文庫] 著者:西田幾多郎評価:A【粗評】国産近代哲学の原点。 プラトー、アウグスチヌス、デカルト、カント、ヘーゲル、ゲーテの言葉や聖書の文句を引用しながら、 西田哲学のエッセンスを注入。 もともとが講義の草案であるためか、 …

アイヌ神謡集

アイヌ神謡集 (岩波文庫) [文庫]編訳:知里幸惠評価:B【粗評】20になるかならないかのユッキーが遺したアイヌの神謡集。「序」のことばに涙。突然の「フオホホーイ」に笑顔。彼らの擬音語のセンスに大自然を感じた。基本的には、悪事をはたらき殺され、肉体…

近代日本思想案内

近代日本思想案内 (岩波文庫 (別冊14)) [文庫]著者:鹿野政直評価:B+【粗評】啓蒙思想や国体論、社会主義など14のテーマについて、幕末~戦後の思想の変遷をたどった労作。日本思想史の手引き。文献の引用と説明、コメントの割合がグッド。付言「言論法規」…

詩学・詩論

詩学 (岩波文庫) [文庫]著者:アリストテレース・ホラーティウス評価:B+【粗評】アリストテレスによる悲劇理論。悲劇の構成要素を、豊富な具体例を引きながら子細に解説するぞ。ホメロスの愛されぶりに、訳注の多さに、そして古代希臘の隆盛ぶりに驚くなか…

ツァラトゥストラはこう言った

ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2) [文庫]著者:ニーチェ 訳:氷上英廣評価:B【粗評】題名だけ有名なニーチェの著書。神がよく死ぬ。たびたび嘔吐する。既成の概念や常識が打ち砕かれる。「超人」と「永遠回帰」がテーマらしい。冒頭に…

「いき」の構造 他二篇

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫) [文庫]著者:九鬼周造評価:B+【粗評】日本の詩歌・散文を大量に引用しつつ、二元論、三段階説を武器に和魂洋才で日本的概念についてカッチリ構造解析。表紙にもある直方体や正八面体の概念図が出現したときの衝撃を、キミ…

余は如何にして基督信徒となりし乎

余は如何にして基督信徒となりし乎 (岩波文庫 青 119-2) [文庫] 著者:内村鑑三 訳:鈴木俊郎評価:B【粗評】農学校での開発、米国での暮らしの経て、徐々に基督信徒になっていく自身の心を見つめた自伝的作品。異邦の基督信徒ならではの視点が広く世界に認…

ことばの贈物

ことばの贈物―岩波文庫の名句365 (岩波文庫別冊) [文庫]編:岩波文庫編集部評価:C【粗評】みんなエエこと言いはるやん。トイレ用。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】

相対性理論

相対性理論 (岩波文庫) [文庫]著者:A. Einstein評価:B【粗評】アインシュタインの1905年三種の神器のうちのひとつ。補注&解説つき。20世紀初頭だけあってまだ牧歌的な部分が残るが、時代の躍動感も感じられよう。迂遠だったり性急だったりする部分がある…

論語

論語 (岩波文庫) [文庫]訳注:金谷 治評価:A【粗評】みんな知ってる、孔子と弟子たちの言行録。「学びて時に~」「巧言令色~」「過ぎたるは~」「己れの欲せざる~」など既視感ある金言がズラリと並ぶ。聖人君子を目指し、仁徳を身につけたいキミに。「~…

ことばの花束

編:岩波文庫編集部評価:B【粗評】こういう本はトイレ用に最適。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】

賃銀・価格および利潤

賃銀・価格および利潤 (岩波文庫 白 124-8) [文庫]著者:カール・マルクス 訳:長谷川文雄評価:B+【粗評】著者曰く、「私は『資本論』の入門書としてこれより秀れたものを知らない」。「『資本論』を第一章だけで投出された諸君は是非この書から再出発して…

伊勢物語

伊勢物語 (岩波文庫) [文庫]校注:大津有一評価:B【粗評】むかし、をとこありけり。いたづらになったり、本意のごとくあったりする。げんきやなあ~(・ε・)懐かしの和歌がたくさん。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】

雪 (岩波文庫) [文庫] 著者:中谷宇吉郎【粗評】よもやま雪ばなしのあと、雪の研究のはなし。氷点下の中で行われる研究は、まさに努力の結晶。研究のことを、それなりに詳しく話してくれて、かつ分りやすい。それもそのはず、 読者は自然科学の研究というも…