Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

小説・戯曲・ノンフィクション

宇宙からの帰還

宇宙からの帰還 (中公文庫) [文庫]著者:立花隆評価:B+【粗評】NASAの宇宙飛行士たちにインタビュー。「神、人間、宇宙、世界、生物と進化、生と死、存在、認識などに関する一連の哲学的質問を用意していって、それを次々と浴びせかけてい」く。このインタ…

聞書抄

聞書抄 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:B【粗評】ジュンジュンの語り物シリーズ。他にも小品を三作収録。又聞きの又聞き。挿絵多し。『武州公秘話』と『盲目物語』を掛けて1/3乗した感じ。中期谷崎の行き詰まりを感じないでもない。しかし、彼は見…

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫) [文庫]著者:三島由紀夫評価:B+【粗評】やわらかいのとカタイノト。ユッキーの劇作家としての才が存分に現れている。緻密な構成。戯曲であるせいかいつもより会話や比喩のオシャンティ度が六割増。世界級の比喩…

蓼食う虫

蓼喰う虫 (新潮文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:B【粗評】飽きると云うことと、別れると云うこととは別さ。飽きたからって、又おのずから恋愛ではない夫婦の情愛が生ずると思う。大概の夫婦はそれでつながっているんじゃないか夫婦の冷め切った感、針のむ…

細雪

細雪 (上) (新潮文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:A【粗評】ジュンジュン渾身の作。関西弁。名家の美人4姉妹というファンタジー設定も大谷崎の手にかかればこの通り。『細雪』は雪子の「雪」か、はたまた三姉妹の自由な交わりの終焉を意味するのか。まあそ…

お伽草紙

お伽草紙 (新潮文庫) [文庫]著者:太宰治評価:B【粗評】ぼくらのDAZAIが、「世界で一ばん偉い作家」西鶴の作品や昔ばなしをDAZAIZE-古典を饒舌に、ヒウモラスに、道化の悲喜劇に再構成した。浦島亀やカチカチたぬきがその標的に。DAZAI、話を一から作るよ…

パンドラの匣

パンドラの匣 (新潮文庫) [文庫] 著者:太宰治評価:B+【粗評】DZI-OSM中期の佳作。表題作と『正義と微笑』二作を収録。青春の中で一喜一憂する主人公。作品中には希望にあふれたまっすぐ明るい雰囲気が充溢している。分量は中編程度ながらもグイグイ読ませ…

コンスタンティノープルの陥落

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫) [文庫]著者:塩野七生評価:B【粗評】1453年初夏、欧州東端の都は陥ちた。 「双頭の白鷲は、回教徒の半月刀によって斬り殺された」。ナナミーが群像劇仕立てで描く、東ローマ帝国首都・コンスタンティノープル滅亡…

零戦撃墜王

零戦撃墜王―空戦八年の記録 (光人社NF文庫) [文庫]著者:岩本徹三評価:B+【粗評】202機撃墜の大日本帝国海軍最強の零戦乗り・岩本徹三の空戦記。全体的に淡々とした著述だが、ときおり生の実感や戦争の理不尽への訴えがにじみ出る。四機撃墜、不確実一機の…

愛の渇き

愛の渇き (新潮文庫) [文庫]著者:三島由紀夫評価:B【粗評】ユッキー。嫉妬、愛、幸福が混ざり合いながら三転倒立。悦子さんの心理がわからない。

少女売買

少女売買 インドに売られたネパールの少女たち [単行本(ソフトカバー)]著者:長谷川まり子評価:B【粗評】行動力あるライターが見つめてきた、インド性産業のDeep Darkな実態。引き際の悪すぎる著者は、現地NGOを取材するだけでは終わらず、日本でNGOを立…

潤一郎ラビリンスⅩⅢ 官能小説集

潤一郎ラビリンス〈13〉官能小説集 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎 編:千葉俊二評価:B【粗評】『熱風に吹かれて』『捨てられる迄』『美男』を収録。女性の肢体や姿態の描写、女帝に蹂躙される男の心情など、初期の作ながら谷崎らしさにあふれる。いわ…

尾崎豊 アイ・ラヴ・ユー-尾崎豊との激走345日

尾崎豊 アイ・ラヴ・ユー―尾崎豊との激走345日 [単行本]著者:鬼頭明嗣評価:B【粗評】アイソトープ設立、綱渡りにつぐ綱渡りでどうにかこうにかやりとげた全国ツアー。そして突然の死―――。猜疑心の塊である尾崎にふりまわされつづけた一年。保護者役の著者…

大空のサムライ-かえらざる零戦隊

大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫) [文庫]著者:坂井三郎評価:A【粗評】面白い。愛機を操り、感覚を極限にまで研ぎ澄ませ、死生の境界に生きる。高空、高速で繰り広げられる命のやりとり。時間の感覚も、生死の境界も薄らいでいく。その中で…

ジーキル博士とハイド氏

ジーキル博士とハイド氏 (岩波文庫) [文庫]著者:R. L. Stevenson 訳:海保眞夫評価:B【粗評】エドワード・ハイドのみは、全人類の中でただひとり純粋な悪だからである。推理小説チックだが、掟破りのワイルドカード発動。本書を読んでコナン君を連想しない…

新釈 走れメロス 他四篇

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1) [文庫]著者:森見登美彦評価:B【粗評】『走れメロス』『山月記』などの名作を、大胆に脚色。表題作に至っては完全に別物と化している。【学んだこと、生かしたいこと】【その他・リンク】

馬喰

馬喰 [単行本]著者:松林要樹評価:B【粗評】しがない映像作家の著者。震災被害馬と彼らに関わる人々を取材していたところ、生産馬が馬肉になる過程に興味を持ってしまった。馬に関わる人々、地元の祭りの負の側面、馬肉がつくられる過程など、一般には知ら…

宇宙に恋する10のレッスン-最新宇宙論物語

宇宙に恋する10のレッスン 最新宇宙論物語 [単行本(ソフトカバー)]著者:小阪 淳、片桐 暁 監修:佐藤勝彦評価:B+【粗評】10章からなるラヴ・ストオリィの合間に宇宙に関する講義を挿入した「かなり奇妙」な本。メインはもちろん後者だが、文系大学生と理…

潤一郎ラビリンス Ⅶ 怪奇幻想倶楽部

潤一郎ラビリンス〈7〉怪奇幻想倶楽部 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:B【粗評】『病蓐の幻想』『美食倶楽部』ほか三篇。ジュンジュンに導かれて怪奇幻想倶楽部にGO。面妖な世界にようこそ。『病蓐の幻想』の心配性、『人間が猿になった話』のエロ…

潤一郎ラビリンス Ⅳ 近代情痴集

潤一郎ラビリンス〈4〉近代情痴集 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:B【粗評】『細雪』『源氏物語』を放棄して『潤一郎ラビリンス』へ。表紙カバー裏面のジュンジュンの写真があどけない。『懺悔話』『お才と巳之介』『一と房の髪』ほか三篇。収録作…

対談集「気骨」について

対談集「気骨」について (新潮文庫) [文庫]著者:城山三郎評価:B【粗評】人づき合いが悪い割りに、私は人間が好き。それも、これはと思う人にお会いし、それこそ、相手の眼を見て、じっくり話を伺いたいし、すてきな人のすてきな話は、私だけでなく、多くの…

夏と花火と私の死体

夏と花火と私の死体 (集英社文庫) [文庫]著者:乙一評価:B+【粗評】朝はわたし以外のすべてのものの上にやって来て、わたし以外のみんなは生きていた。初・乙一。タイトルの後ろ三文字を消したらきっと、みんな幸せ。表題作『夏と花日と私の死体』と『優子…

夢の浮橋

夢の浮橋 (中公文庫) [文庫]著者:谷崎潤一郎評価:B【粗評】ジュンジュン。表題作『夢の浮橋』ほか四篇を収録。『夢の浮橋』お母さんとお義母さんの融合。そして授乳。ごちそうさまです。話しぶりからついうっかり私小説と思い込んでしまった。危ない危ない…

指揮官たちの特攻-幸福は花びらのごとく

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく (新潮文庫) [文庫]著者:城山三郎評価:B【粗評】シロサブ。海軍兵学校出の同期の桜、関行男と中津留達雄の短い生を描く。同時代を生きた著者の体験もぽつぽつ顔を出す。まぜこぜで少しまとまりにかける気も。関のこ…

蒼穹の昴

蒼穹の昴(1) (講談社文庫) [文庫]著者:浅田次郎評価:B+【粗評】わしは信じたいのじゃよ。この世の中には本当に、日月星辰を動かすことのできる人間のいることを。自らの運命を自らの手で拓き、あらゆる艱難に打ち克ち、風雪によく耐え、天意なくして幸福を…

喜嶋先生の静かな世界

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫) [文庫]著者:森博嗣評価:B+【粗評】ヒロシの自伝的小説。理系であることに感謝できる。喜嶋研究室に配属された橋場君が研究の魅力に憑りつかれ、アカデミックボーイ化していく。ちなみに…

大原總一郎-へこたれない理想主義者

大原総一郎―へこたれない理想主義者 (中公文庫) [文庫]著者:井上太郎評価:B+【概要・感想】モーツァルトをこよなく愛する著者が、倉敷絹織(現クラレ)二代目社長・大原總一郎の人生をたどる。『わしの眼は~』ではやや物足りなかった總一郎の生涯を補完で…

わしの眼は十年先が見える

わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯 (新潮文庫) [文庫]著者:城山三郎評価:B【概要・感想】『落日燃ゆ』『指揮官たちの特攻』の城山三郎が、倉敷紡績を西日本屈指の大会社に育て上げ大原財閥の礎を築き、倉敷絹織(現・クラレ)を創立した大原孫三…

すべてがFになる

すベてがFになる (講談社文庫) [文庫]著者:森博嗣評価:B【粗評】初・森博嗣。あかでみあなっつな世界に身を置いていただけあり、大学に関する描写がリアル。不思議な感覚をもたらす小説だった。トリックの内容はどうあれ、読ませる力があるのは確かだ。か…

同行二人松下幸之助と歩む旅

同行二人松下幸之助と歩む旅 [単行本]著者:北康利評価:B【粗評】キタヤスの幸之助伝。さすが、読みやすい。赤貧の幼少期、度重なる肉親との死別、公職追放、さまざまな艱難辛苦を乗り越えて人は神になったのである。『松下 幸之助 (北康利の伝記シリーズ …