著者:岩本徹三
評価:B+
【粗評】
202機撃墜の大日本帝国海軍最強の零戦乗り・岩本徹三の空戦記。
全体的に淡々とした著述だが、ときおり生の実感や戦争の理不尽への訴えがにじみ出る。
四機撃墜、不確実一機の戦果を挙げた初陣の南昌空襲。
「瑞鶴」乗組で参加した真珠湾攻撃、
熟練の戦友を多く失った珊瑚海海戦、
そして米戦爆数百機に連日僅か数十機で挑み続けたラバウル上空の死闘。
航空生活十年、数々の戦場を飛び回り、生き残った。
基地との通信や索敵を最大限に利用した、
優位な位置からの一撃離脱戦法や送り狼戦法。
冷静な判断力や統率力、零戦虎鉄のの有能なる指揮官ぶりに括目せよ。
生還を期し難いエースたちのために、撃墜数/(被撃墜数+1)というスコア算出法を提案したい。