評価:B+
【粗評】
わしは信じたいのじゃよ。この世の中には本当に、日月星辰を動かすことのできる人間のいることを。自らの運命を自らの手で拓き、あらゆる艱難に打ち克ち、風雪によく耐え、天意なくして幸福を掴みとる者のいることをな
李春雲・梁文秀など、架空の人物を主人公に据え、
西太后、光緒帝や李鴻章、さらには乾隆帝、カスティリオーネまで登場させて描く、
大清帝国末期を舞台にした一大巨編。
主に1886~戊戌の政変(1898)まで。
中国シリーズはまだつづく。
中国語ブレンドの文体、人間臭い口調、ファンタジー成分など、
良くも悪くも浅田次郎らしい小説だ。
科挙や宦官制度の説明はもちろん、
西太后や李鴻章の人物描写がなにより記憶に残る。
時代の熱気や躍動感を感じられるのは実によいことだ。
【学んだこと、生かしたいこと】
天命に打ち克つこと(・ε・)
【その他・リンク】