【概要】
著者(監督):伊藤 毅
法律や社会制度に焦点を当てたメタ視点の「〇〇の世界史」。
ラグビーとフットボールの分裂、チューリップ・バブル、東インド会社の勃興、ヴェネツィア発の特許制度、20世紀の自動車の普及など、親しみやすい話を餌に数々のルールが近代西欧で生み出されていったことを解説。条件と結果(規制と利益)のパラメータ調整でクソげゲーか神ゲーかが決まる。
「ルールは人の欲求や才能を開花させるコミュニケーション・ツールである」。「ルールは、発展と衰退を繰り返しながら、らせんのようにバージョンアップしつつ発展していく」。ルール改定時には「楽しそうな未来像」を描くことが大事。
「どのような仕組みを作れば人の欲求や才能が刺激されるのかを見極める観察眼」を養うことが重要。制度設計者には文理の別なき幅広い教養と知見・経験、人間心理の洞察力が必要だ。
【詳細】
<目次>
- 1 ルールは「遊び」から始まった
- 2 期待と安心感―お金と「信用」のルール
- 3 拡散とコントロール―知財の創造ルールで産業を振興する
- 4 巻き込みと役割分担―イノベーションを巡るルール対決
- 5 アシストと放任―企業を成長させるルール
- 6 インターネットがルールメイキングを変えた
- 7 ルールの一生
<メモ>
☟個人の印象です
各自の技術を尊重しつつも、きめ細かなアンストを行うドイツ型。
稼げるエリート部門に経営資源を集中投入するイギリス型。
個々の育成よりは、モチベーションが上がるインフラ構築でアシストするフランス型。
完全自由競争を徹底するアメリカ型。
人間の行動をコントロールすることは難しいが、合理的で実行力のある政策立案・制度設計が望まれる。