Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

日本史サイエンス

日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る (ブルーバックス)

【概要】
著者(監督):播田安弘

元寇、秀吉の中国大返し戦艦大和の実用性に関し、エンジニアリング的な面からの検討を主軸に据えて現実的に可能なのか検討する。物理的なリアリティを重視。エンジ的な科学・技術的知見を取り入れた人文学がアツい模様。それにしても著者、完全に造船のサラブレッド家系。「アルキメデスの大戦」映画版の製図・監修者やんけ。

根拠なきなんとかなるやろは非常に危険。『失敗の本質』にもあるように、合理的で柔軟に変化できない組織は滅びるということですな。

 

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【詳細】
<目次>

  • 第1章 蒙古軍はなぜ一夜で撤退したのか
  • 第2章 秀吉の大返しはなぜ成功したのか
  • 第3章 戦艦大和は無用の長物だったのか
  • 終章 歴史は繰り返される


<メモ>

  • 船酔いや接舷場所、人間の消費エネルギー、物資の手配や輸送など、定量的に検討。ランチェスターの法則AHPなどの戦略フレームワークもついでに伝授。
  • 筆者の造船エンジニアリング経験が遺憾なく生かされている。大和の弱点:溶接不能だった継ぎ目、縦隔壁、動力系の配置…。
  • 船の設計の流れ

船の初期計画では、まず類似船がある場合はそのサイズ、搭載物、必要条件から、長さ、幅、深さ、喫水を大まかに決めます。そこから概算重量を算出し、搭載量、復原力、速力、主機馬力、推進軸数を決めます。そして概略図を描きながら、主要配置、機関配置、電装配置、舵、プロペラ、居住配置、防熱、配管、安全救命装置、通信装置などについて、トライアンドエラーを何度も繰り返しながらだんだん精度を上げていき、船型や要目を決めていきますので大変な作業となります。

  • 船の建造費:①材料費、②人件費、③設計・工程管理・設備・管理費で1/3ずつくらいが一般的。
  • 合理的に判断できず、柔軟に変われない組織は滅びる。 

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