カンブリア宮殿 就職ガイド――村上龍×73人の経済人 [単行本(ソフトカバー)]
著者:村上龍
評価:C
製造業、サービス・小売業、農林業と、さまざまな業種の企業のトップと村上龍・小池栄子の対談の一部を収録した本。一人あたりの分量が少ないのが吉と出るか凶と出るか。
カルロス・ゴーン 三木谷浩史 孫正義などの著名人はもちろん、ジャパネットのオッさんやあまり有名ではない会社のトップも名を連ねる。
73者73様の経営・人生哲学があるので相矛盾するものもあるのは当然。
自分にとって都合がよいもの、耳ざわりの良いものを選ぶか、
それともあえて厳しめのを選んで座右の銘とするか。
“「お金持ちになることを考えてはいけません」「有名になることを考えてはいけません」「偉くなろうと思ってはいけません」。この三つは実は人生の結果であって、これを目的にするととんでもないことになりますよ、と言うわけです”
(樹研工業社長・松浦元男)
“「どこにあるかわからないような自分探しをするよりも、会社の夢に自分の夢を合わせる努力をしてみてください」と言いたいんです。よく「目の前の峠に登ろう」という話をするんです。目の前に峠があるとき、麓に寝っ転がって、「あんなところに登ってもいいことないよ」と言うのではなくて、「とにかく登ってみなさいよ」と社員に言うんです”
(花王前会長・後藤卓也)
“営業マンがしゃべりすぎると、相手の悩みとか、問題とか言ったものが出てこないんですね。自分が喋るよりも、相手にもっと喋っていただかないといかない。そういう意味では、コミュニケーションがなかなか不得意だという人でも、口下手な人でも、それだけで営業に向いていないということではないと思います”
(アサヒビール会長・荻田伍)
“何かうまいこといかないからと、人間はすぐ悩んだり悲しんだりするでしょう。うまくいくのが当たり前だと思っているから、そう思うのだと思います。僕はそうじゃなくて、ほとんどのことは、うまくいかないんだと思っています。うまくいったらラッキーなんだと思うようにしたらいいと思うんですね”
(SBIホールディングス・北尾良孝)
“「聞くは一時の恥」という言葉がありますでしょう。私は聞くことに対しての抵抗感が全然ありません。聞くと、人はきちっと教えてくれますもんね。それが自分自身を磨き上げていくもとになるのではないかと、うちの若い連中にもよく話しています”
(加賀電子会長・塚本勲)
“先ほどからプラス思考、プラス思考と言っていますが、これは訓練でなれるんです。社員たちにもよく言うのですが、例えばここでグラスを落して割ってしまったとします。そのとき、「あ、割ってしまった」ではなくて、まず最初に「よかった、よかった」と言いなさい、と。何かやってしまったら「よかった、よかった」、怪我した時も「よかった、よかった、これだけですんだ」と”
(ガリバーインターナショナル会長・羽鳥兼一)