Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

69 sixty nine

69 sixty nine (文春文庫)

【概要】
著者(監督):村上龍

半自伝的小説。佐世保進学校の高校生たち、不純な動機と若気の余剰を拠り所として、バリケード封鎖、フェスティバル、儚い恋に突っ込んでいく。

主人公と著者にはどれくらいの相似性があるのか。わかったように文学・哲学・思想・映画・音楽をまくし立て人を煙に巻くスタイルはちょっと憧れる。

 

【詳細】

  • 時折活字の列に現れては目を引く大フォント(立原道造中原中也)、登場人物の長崎弁、「~というのはもちろん嘘で」と自身を韜晦する文体が特徴的。
  • アダマ加入による亀裂やバリ封後の束の間の解放感など、青春の影と光を描きつつも、著者の「楽しんで生きないのは、罪なことだ」などの言葉にもあるように基本的にはおもしろおかしく進行する。
  • エピローグで登場人物のその後が描かれるので二度おいしい。
  • 『限りなく~』しか読んだことがなかったが、村上龍をこれから開発していく。

 

<笑い>

「小学一年生で憶える漢字だけで成立する異常に簡単な名前」

「シュミーズを見つけてからは、全員がパニックになり、指紋の注意も忘れて遺留品探しに熱中した」

 

<時代性>

  • めっちゃ殴る教師たち 

「ファントムの爆音を毎日聞いている高校生は、弱々しいフォークソングなんか屁以下だと知っているのだ」

「下宿の部屋にはヘルメットと角材とビラがあり、化粧気のないブラウスとジーパン姿の女がいて、僕たちは吉田拓郎を聞きながら、サッポロ一番塩ラーメンを食べた」

 

<著者のメッセージ>

  • 楽しんで生きないのは、罪なことだ。