Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

すずめの戸締まり

【Amazon.co.jp限定】すずめの戸締まり (特典:CDサイズカード(絵柄C)付)

【概要】
著者(監督):新海誠

災害三部作その三。要石や龍脈(らしきもの)、常世などの日本神話的・伝奇的要素とロードムービー・冒険要素が融合されている。「場所を悼む」ことがテーマの一つであると監督が各所で述べているように、現在日本が直面する停滞感や今後の暗い未来、失われつつある風景や共同体などに思いを致させる構成となっている。そして、そのことを受容した上で踏ん張って生きていくのだという決意も。「君の名は。」ほどの広がりは得られないかもしれないが、要石のようにじわじわと刺さっていきそうな印象。個人的には終盤のダイジンがいい感じだ。

ダイジンはね すずめのこには なれなかった

すずめのてで もとにもどして

 

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【詳細】
<メモ>

  • 圧倒的ロードムービー感。自転車、徒歩、フェリー、原付、自動車、在来線および新幹線といった交通手段を駆使して、1週間程度で宮崎、愛媛、神戸、東京、福島、宮城まで駆け抜ける。「場所を悼む」ことがテーマの一つであると監督が各所で述べているように、現在日本が直面する停滞感や今後の暗い未来、失われつつある風景や共同体などを考えさせる構成となっている。コロナと制作時期が重なったことも幸か不幸かそんな思いを強くさせている。Go To欲は本作のロードムービー感で発散されたい。古き良き温泉旅館へのお泊り、ヒッチハイク、高速道路のトンネルのライト、無人の遊園地と観覧車、スポーツカーでの東北ドライブなど、エモさを感じさせる要素が要所に埋め込まれている。

https://twitter.com/Javalousty/status/1604401157530472448?s=20&t=vziSfmAgnufWSO5AflMoCw

  • すずめさん、基本的にポニテで元気。ジブリキャラ並みの身体能力と勇気で、走ったり飛んだり出血したりといろいろなアクションをこなす。けっこうやらかし主人公で、冷静に見るとマッチポンプガール。ボーイミーツガール。そこにある。「どきどきする」らしい。謎の予感や直感を信じて学校をブッチしたり、怪我や身体が汚れることを厭わず、ひとたび覚悟が決まれば要椅子をブッ刺すあたりかなりメンタル強い。終盤の扉ダイブ時には「好きな人」発言するまでに。
  • 草太さんは泣きぼくろイケメン。史上最高にカッコいい椅子としても知られている。「たべて」「どうぞ」「いいよ」などの言葉がやさしイケメン。バディのすずめを「さん」呼びするのが地味にええ感じ。見えないところで日本を救っているナイスガイ。かしこみかしこみ。
  • ダイジンがもう一人の主人公なのかも。神とネコは近い(字面も)。最初は要石を椅子に押し付けた気楽さから、気まぐれに2人を翻弄するが、すずめから拒絶され、サダイジンと再会し、すずめの召喚獣的ポジションで毛艶を取り戻した後は、本来の使命を受け入れた。身体が動かなくなってきてからの「すずめのこには なれなかった」にはぶわっとなってしまう。ペットは覚悟を持って飼おう(; ・`д・´) ミスリードを誘うぐらいの悪役なりきりは天晴れであった(気まぐれっぽいが)。
  • 巫女的存在や超常現象のみならず、古典的なループ的SF要素もあり。幼少期に見た常世がラストシーンに繋がっている。これまでの新海作品では基本的に限りなく美しいものとして描かれていた空は、今回は紫がかっており美しくも不気味なものとなっている。
  • 日本の国土、町、人、方言、社会インフラなどが崩壊していく。そういった確実なものがない、この無常の世界でそれでも踏ん張って生きていくのだという決意を感じた。某震災を題材として対象化できる時間が経ったという(そんな雰囲気が醸成されたという)ことか。戸締り時、そこにいた人々に思いを致すところとか、終盤の「いってきます」のあいさつラッシュはなかなか印象的であった。縮退する地方って『下り坂をそろそろと下る』感が。
  • 暗いばかりではなく芹澤君がお笑い担当。スポーツカーは相方。ユーミン、聖子、陽水などの70-80's名曲チョイスはなかなか。一方SNSで猫を追うとか、電子マネー履歴で環さんに特定されるとか、現代感あふれる描写もあるぞい。
  • 自然災害三部作の中では展開がスムーズでまとまっている感じがある。円熟味というか…納得感といってもいいかも。サダイジンの登場のくだりと環さんへの憑依、ダイジンが要石に戻ることを決意するあたりに分かりにくさがあるものの…2周目にしっかりダイジンの反応を観ながら展開を追っていくとわかるかも。声優も違和感なくハマっていてグッド。
  • 遍満するジブリ感。日本人に受け入れられる物語の本質的な部分を抽出していくと同じようなところに行きつくのかもしれない。民俗学っぽい要素も入れているとかいないとか。最終決戦前の「好きな人のところっ!」ってジャンプするとこと耳すばバロンっぽくなかった?

   ・千尋…序盤の廃墟と化したレジャー施設、足首程度まで水没した場所

   ・もののけ姫:みみずのタタリ神感(東京に出現した完全体は使徒っぽさもある)、山犬ならぬ山猫(サダイジン)

   ・魔女宅:喋る猫、「ルージュの伝言」、旅先で会う人々、EDでの彼らとの再会

   ・トトロ:落下すずめのキャッチ

   ・ラピュタ…高所アクション

 

★TOHOシネマズ甲南の舞台挨拶の回を視聴(2回目)。

*以下、メモ。

  • 新海監督と原氏が来場。北斗氏のかわりに椅子が来場。この劇場には「君の名は。」でも「天気の子」のときも舞台挨拶で来たらしい。
  • 新海氏、穏やかな語り口で話しなれておるな。不安定だったキャスト陣や映画がだんだん確固たるものに仕上がっていくのが楽しいらしい。
  • 来場者は半分以上がリピーターで、中には7回見たというツワモノも。
  • 新海と原氏による2nd閉じ場面@愛媛のアフレコ再現がおもろい。新海は昔「彼女と~」で声の出演をしていたのでなかなか上手いぞ。
  • 君の名は。」以降、いろいろな声をもらって、作品づくりに取り入れてきた。RADWIMPS「カナタハルカの」歌詞で言うところの「僕にはない 僕にはないものでできてる」。観客も映画制作者の一人と考えてほしい。

*Q&A: 

①〈7回目鑑賞者〉サダイジンの環さんへの憑り付きシーン意図⇒最終対決に向けての二人のわだかまり解消+ダイジンに本来の役割を意識させること。

②〈6回目鑑賞者〉これは気づかないだろうという制作者のこだわり⇒最後になってようやく「おかえり」の言葉が出てくるところ。すずめには赤、草太には青色がイメージカラーとして与えられていること。すずめの髪型や髪留めピン位置の変遷。

③〈1回目鑑賞者〉なぜ神様は猫の姿をしているのか、観客へのメッセージは⇒自然がまるで気まぐれに人間に禍福をもたらすところが猫のそれと似ていたから。メッセージ:ある物語が、いま苦しいと思っている人を救うこともある。

 ※あくまで監督の意図であり、観客が自由に想像してOKとのこと。監督の「(キャラクター)は〇〇と考えていたんだと思います」的な、幅を持たせた語り方が印象的であった。

 

<個人的新海ランキング>

  • ほしのこえ...B ☜再視聴必要
  • 雲のむこう〜...B ☜再視聴必要
  • 秒速5㌢...A+
  • 星を追う〜...C
  • 言の葉の庭...A
  • 君の名は。...A+
  • 天気の子...A-
  • すずめの戸締まり...A(今後次第)

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