【概要】
著者(監督):新海誠
<22.11.29追記>
「雪野さんじゃなくて、先生、でしょ」
15歳と27歳のサボりデュオが和歌や靴作りを通じてプラトニックに3ヶ月くらい交流する。雨の日が待ち遠しくなる。人で歩けるように練習をしてたのは君だけじゃない。まだモノローグ多めで、新海がメジャーデビューする直前のフェティズムだだ漏れ感がある。
鳴神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ
鳴神の 少し響みて 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば
孝雄君が雪野先生の靴の型をとるとか、金麦をグイッといくとか、伊藤先生との不倫ぽいイケナイ描写とか、寝起きで薄着な雪野先生の体のラインとか、そういったフェティッシュなところは見逃せない。あと井上靖の『額田大王』。
楽曲「Rain」(秦カバー)の中興の祖と言われている。
【詳細】
<2016.9.10記載分>
短い尺でよくまとまっている。
雨上がりの陽射しのごとき清涼な読後感(?)を残す。
人物の陰影が最近のアニメらしくスッキリしていて良い。
タカオの靴職人になりたい夢と、ユキノの一人で歩きたいという願いがドッキング。
あめのあずまやに万葉の祝福が舞い降りる。
ユッキーが走り出してからの流れは熱い。
言葉と気持ちがうらはらになるタカヲ君、
想い溢れて飛び込むユッキー、
不恰好な靴とよごれた素足、
雨が上がり光が射す描写、そしてエンディングの音楽がよいんだな。うん。
タカオ君、ずっと一人想い続けているのか?
結ばれるといいね。いつか、きっと…。
それにしても少し明るくなった、作風の転換点か?
新海誠作品は制作順に観ることを薦める。
相変わらず満員電車時の文学的描写がシンカイズムを感じさせる。
そして、足先や寝転んだときの胸の上下動に、官能美にかけるこだわりを感じる。