【概要】
著者(監督):百田尚樹
運命変更可能系SFの一環。神話や宗教、Macbethなどに見られるように古くて新しいテーマである。能力に代償があるあたりはリゼロに似ている。
最近だとまどかとかシュタゲとかリゼロとか君町とか君の名は。とか、少し古いやつだとアッパレとかBEとかでおなじみ。
内向的な主人公が恋の味を知り、能力を活かすべきか葛藤し、行動し我が身を捨てるといった点は定番だが及第点。人の生き死にに関わるかはともかく、運命や人生に向かって一歩踏み出す勇気はいつも忘れずにいたいところ。あとなぜか『塩狩峠』を思い出した。
「慎一郎さんを好きになった理由はもう一つあるの。それは、慎一郎さんが他人のために生きることができる人だと思ったから」
主人公の不幸設定や話運びはややテンプレだが、車のコーティング工という設定は主人公の内面とマッチしていて良かったか。彼の内気なところは読者の共感を得やすかったのでは。
著者に関して言うと、リーダビリティの高い映像的文体は評価している。だけど…。
【詳細】
<コーティング>
<運命に抗う系作品>