【概要】
著者(監督):将口泰浩
陸海軍の「人道の将」としてタイトルの二人を中心に据え、「玉砕のアッツと撤退のキスカ」を対比的に描く。後半ハイライトのキスカ島撤退作戦は米軍をして「パーフェクトゲーム」と言わしめたことはあまりにも有名。
「陸軍の人道の将が樋口季一郎ならば、海軍の人道の将は木村昌福だ。この二人の陸海の人道の将がそろったことで、はじめて奇跡の作戦が成り立ち得たといえる」
「双方の相互理解と労る気持ちが陸海軍一体の協調作戦となりケ号作戦を成功させた大きな要因」
と太平洋戦争後半の珍しい欣快事を描く一方で、「日本は近代戦に参加する資格がなかった」と、暗号や補給能力の乏しさ、アッツ・キスカ島の飛行場建設を人力で行う工業力の不足を指摘する。
上に立つ者の姿勢としてはやはり、大要を決めたあとは部下に任せて責任は自分で取ること。普段は駘蕩としつつも要所では果断すること。
【詳細】
<目次>
- 第1章 樋口季一郎中将(ミッドウェー作戦の失敗;キスカ、アッツ島占領の真実 ほか)
- 第2章 アッツ島の玉砕(近代戦に参加する資格;米軍によるアッツ島奪還 ほか)
- 第3章 木村昌福少尉(奇跡の撤退;木村昌福の姿勢 ほか)
- 第4章 キスカ島からの第一次撤退作戦(樋口と木村に相通じるもの;海軍と陸軍の相互理解 ほか)
- 第5章 今度こそキスカ島へ(キスカ島に再出撃;救出まであと四時間 ほか)
<メモ>
アッツ・キスカ