Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

Re:ゼロから始める異世界生活


著者(監督):渡邊政治

【概要】
異世界ワープ+ループを有効活用した(ダーク)ファンタジー(※原作)。
情報アドの優越と傲慢と苦悩と絶望の描き方が興味深い。
落として上げてカタルシス錬成、という手法の最たるもの。

【詳細】
<あらすじ>
[1-3話]
開始1minニシテ異世界ニ投入サル。
それは、ゲーム・ラノベ・アニメ・マンガ脳の視聴者にはおなじみのファンタジー世界。 
早速チンピラに襲われているところに、ツンデレ、グルグルツリ目、世話焼き巨乳ハーフエルフの盛りすぎ正ヒロイン・エミリアたん登場。

スバル君、ビニ袋片手にジャージ、わかりやすい特殊能力はない。
加えて徹頭徹尾、天魔不滅、天壌無窮、万夫不当の一文無し(口上がラノベっぽい)。
だが日々の筋トレと手品、ポテチとケータイの活用で道を開く。
と、ここで一転血みどろ展開! グロ要素が牙を剥く。
流れる血に絶望し、痛みに苦しみ、死を覚悟したとき「死に戻り」なるループ能力が発動する。
死ぬのはつらいし死ぬほど痛いが、あの娘を死なせるのはもっと嫌だ。
情報の断片を繋ぎ合わせ、4~5周目にてようやく攻略。仲間を増やして次の町へ。
そう、これは運命に抗う物語。

[4-11話]
メインヒロインにラム・レムを加え、物語は感情の絶対値を深めていく。 
ラムとの夜のお勉強、レムとのおつかい(鬼が笑う)、エミリアとの月下デートの約束…。
セーブポイントは自動更新(条件不明)。ループの謎が少しずつ明かされていく。

美少女といちゃいちゃするのはタダじゃない。
萌えにはもれなく燃えとグロがついて来るの運命なのだ。
死の影はさらに濃さを増す。バルスの表情が曇る。ソウルジェムは濁る。
手が腕が胴が眼が血が、そして守るべき人の命が失われる。
死の恐怖から逃げ、嗚咽と怒号に満たされた血だまりで、バルスの心は絶望の度を深める。

バルス君、陽気でネアカかと思いきや、さすがにBADEND祭りはこたえる。
気持ち悪い。心がぐちゃぐちゃで壊れてしまいそう。
多弁の裏の苦悶。死に戻り能力を伝えられないもどかしさ。ほむらちゃんサイドの苦闘がしのばれる。

と! ここでエミリアたんのひざまくらカウンセリング!
――大変、だったね」。EMT!EMT!

これに力を得て、ダイナミック飛び下り死亡。
4~5周目にてようやく満足すべき条件を見出す。それは、信頼の獲得と呪いの回避。
これを経糸とするなら緯糸はレムとラムの愛憎劇。「劣化版」は一体どちらか。
姉様の呪縛と幻影に別れを告げ、鬼が笑って第2幕は終了。ただし胸はレムの方が大きい。

[12-20]
王選スタート。
王候補、フェルトちゃん霞むくらいキャラ濃いめ。
驕りが出てきたバルス君。無理無謀・蛮勇が仇となりエミリアの信望を失う。
異世界ゆえの特別感・高揚感、「君のため」、自分しか知らない勝手な思い出、ループ能力あるなしの記憶・情報のズレ、「オレがいたから何とかなった」という傲慢…。
気持ちはわかる。意外と丁寧な心理描写が光る。

ここからしばらくはレムのターン。
能力と境遇を濫用したツケは傲慢と独善となり、皆はもちろんスバルの心すら傷つける。
度重なる死に戻りを以てしても状況は好転しない。
首はねじれ、胴は輪切りになり、首はポトリと落ち、惨劇は終わらない。
狂気に呑まれていくスバル君。眼は落ち窪み、もともと悪い目つきがどんどん悪くなる。
どうやったら突破できるんだ。

醜態の果てに。
どうあがいても死。死が殺到する。
スバルの独白。
「何もしてこなかったのに何かを成し遂げたい」自分、「努力してるフリ」の自分、そんなスバルでも、レムは受け入れてくれる。
記憶は共有できなくても、希望は分ち合える。
自己嫌悪・韜晦・欺瞞。そんな暗黒もレムの将来設計と「好きです」ラッシュが破砕する。
「レムがいます」「ここから、始めましょう。一から……いいえ、ゼロから!」。
女房役にして相棒・レムが信じるお前を信じろ。あきらめるな。

死に戻りのたびにgive&takeのすべを学ぶバルス
ヴィルヘルム様、疾走はしる。桃白白からのレムぱいキャッチ。
「怠惰ですねえ」と言われても、あきらめず運命に抗え。
やはり4~5周目にて攻略成功。

[21-]
久々の死に戻り。セーブポイントは都合よく更新済(されてなかったら嫌だ…)。
上向いた精神力であとは諦めず闘い続けるのみ。
先回りして意地でもBADEND回避。
やっぱりエミリアの膝枕がいちばん。仲直り告白して一旦終了。

<印象>
[ループ能力]
死に戻り。それは、あきらめなければ闘い続けられる能力。そして世界を変えられる能力。(あきらめなければね。)
起こった知ったことを活用して情報アドで世界を変える、といえば単純だが、その裏には深い痛みと苦悩があるわけなんだな。「~だから、わかってくれる」という思い上がりは普段の生活でも思い当たるフシがある人は多いのでは?
そんな情報アドの優越と傲慢と苦悩と絶望の描き方が興味深い。
落として上げてカタルシス錬成、という手法の最たるもの。
ループありきのためなかなかストーリーは進まないがその分心情が深掘りされていく。
心理描写は意外と堅実。視聴者の倦怠を誘う前にループ解除するのはさすが。
魔女の臭いを活用したり出てきたキャラやアイテムをしっかり使うあたりの伏線回収が上手い。

[EMT]
ツンデレ、グルグルツリ目、世話焼き巨乳ハーフエルフなど、種々のヒロイン要素が調和している。
「くんかくんか!」「たんってなあに?」などのセリフもいいね。

[その他]
嫉妬の魔女、七つの大罪、スバル君の謎能力、魔女教、竜などの広げ代があるのは異世界モノの強み。ネコちゃん世界を滅ぼす力あるなら本気出して!(なんか制約あるの?)

残酷描写:首はねじれ、胴は輪切りになり、首はポトリと落ちる。血もよく流れる。

パロディ:背中の傷は剣士の恥だ、知らない天井、バルス、月が綺麗ですね、ひと狩り行こうぜ、など。

次回予告で遊ぶ、謎の上下動フォント、マリクばりの顔芸、OPEDカット多い。