Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

理工書紹介

就職後に読んだ良さげな理工書を紹介します。赤字はおススメのやつね。

 

youtu.be

 

統計学、データ分析、CAE、プログラミング

●19.10.09『有限要素法はじめの一歩』栗崎彰

シミュレーションや数値計算はやっぱり基礎が大事、ということで材料力学の初歩を確認。有限要素法は、対象物を接点とバネのかたまりでモデル化したもので、「解析で得られたミーゼス応力と材料の降伏応力を比較する」のが基本的な考え方。

解析を行う領域を限定する、アタリを取るなどのエンジ的Tipsも教えてくれる。「見た感じメッシュがキレイで要素のサイズが適切な有限要素モデルは精度がよい」らしい。

●22.06.01『Pythonで学ぶ流体力学数値計算法』藤井孝蔵・立川智章

Pythonある程度知っている人向けなので、Pythonの入門しつつ流体力学も学ぼう!という感じではない。個人的には陽解法だの陰解法だの風上差分だのの数値計算法の解説に筆が割かれているのが印象的であった。後半は勉強不足で読み通せず。。。『パソコンで解く熱と流れ』とか『偏微分方程式の数値解法入門』なんかも古いけどいい感じよ。

wowma.jp

●22.06.29『設計技術者のための有限要素法 実践編』栗崎彰

材料力学の基本(ポアソン比、主応力・ミーゼス応力など)や構造解析の種類、単位換算の重要さを解説。ぶっちゃけ後半はほとんど読めてないのです…。

monoist.itmedia.co.jp

●22.07.16『スモールデータ解析と機械学習』藤原幸一

えふわら氏。ビッグデータが得られないケースが大多数なので、機械学習の前に統計やデータ分析で特徴を見出すコツを伝授。解きたい問題を設定して、それに合う解析方法を選択することが重要。解析して何をしたいのか、どう生かすのかといった目的はもちろん、現実から乖離しないよう現場を知ることも重要。表紙はおかざき真理のサイバーな樹だ。

●22.09.19『データ分析のための数理モデル入門』江崎貴裕
線形回帰、微分方程式、統計モデル、ポアソン過程、深層学習などなど、いろいろなモデルの見取り図を広く浅く提供する。カラフルで手に取りやすいのではなかろうか。

●23.09.02『ゼロから作るDeep Learning』栗崎彰

表紙が魚の例のやつ(オライリー)。Pythondeep learningの初歩を学べる。タイランド在住時に読んでいた。一般書の定性的な内容が物足りなくなった君へ。

 

<化学工学、化学プラント、移動現象、安全工学

javalousty.hatenablog.com

javalousty.hatenablog.com

●20.07.01『化学工学辞典』化学工学会編

技術士ネタ仕込み用。化学工学(単位操作)、化学機械、四大力学、数値計算、物理化学など、カバーしている工学/理学の知識の広大さに卒倒する。辞典通読はめちゃくちゃ時間かかるな…。

●20.08.13『化学プラントにおこるトラブル事例』今西忠

技術士ネタ仕込み用。バルブ・配管からの漏れ、キャビテーション、腐食など。広く、そこそこ深く、各種化学機械や要素技術に触れる。図表が多いので原理・原則からトラブルを解析したい人は読んでみては。

●20.12.17『反応速度論』慶伊富長
反応速度の解析や重合反応のあらましなど、120ページ程度と薄いが要点はカバーしている名著の模様。『反応工学』あたりよりは化学寄りかな?

●21.05.02『Rules of Thumb for Chemical Engineers』Stephen Hall

みんな大好きRules of Thumb.各単位操作はもちろん、材質、制御、コスト計算、プロセスシミュレータ、安全性評価までいろいろ揃っている。圧損や熱伝達係数の推算式、制御弁の開度や損失係数の目安など、経験則的な内容が多い。他には0.6乗則とかSUS同士のコスト比較、渋いところでは真空にするのにかかる時間といったネタも。あと、基本的な用語の英語版がわかるのでちょっと楽しい。通読するのに1年ぐらいかかった。

●21.08.23『プロセス開発を楽しもう』伊藤東

ビーカーから実機まで、プロセス開発の一連の流れの概略がわかる。技術士試験に役立つかも。どうしても広く浅くなないようにはなってしまうが、紙面のそこかしこで訴えているのは志を持って楽しくやること。その意気たるや良し。が、読みづらさや誤植が目立つので編集側の責任でなんとかせい

●22.10.03『若い技術者のためのプロセス安全入門』CCPS/AIChE

アメリカ版プロセス安全工学の教科書。プロセス安全の要素である20エレメントの解説、プラント系の事故事例と教訓、設計時の機械装置ごとの危険のポイントなどを解説。フリックスボロー、セベソ、ボパール+ぺメックスといった3+1大事故も当然カバー。歴史に学ぶものは賢者ということで、こういった血の代償を他山の石としつつ、経験も積み重ねていくべきだろう。

●22.11.16『実例で学ぶ化学工学』化学工学教科書委員会 編
新世代の化学工学の教科書を標榜する。マテバラ、境膜、律速段階、システム化、アナロジーなど、化学工学の重要な概念について日常現象に引き付けて理解せんとする。考慮すべきシステム範囲の拡がりを感じられる。また、機械学習への言及や、宇宙ステーションや燃料電池、ナノ粒子合成などの比較的新しめの話題についても触れている。基礎編の内容が若干薄めなので、レベルに合わせて教科書を選択されたい。

●22.11.16『製造現場の事故を防ぐ 安全工学の考え方と実践』中村昌允
自身が関わったライオン爆発事故での深い反省を生かし、安全工学の伝道師と化した著者。「事故の6割が変更管理の不備による」「リスクゼロからリスクベースへ」「本質安全化が基本であり、ハード・ソフトで安全を担保するしくみを構築せよ」「現場力低下を受け入れた上で運転・設備管理するしくみを設計せよ」などのメッセージを投げかける。

製造業の概況について触れた後、4M4E分析、4S、KYなどの安全工学の伝統的な管理技術を紹介し、リスクアセスメントや変更管理の重要性を説く。化学メーカーでは化学物質・作業・設計残存Rの3大リスクアセスメントが重要。致命的な事象は頻度が低くても回避するよう(福島原発事故のように)RAの点数計算を傾斜させること、ゼロイチ思考から脱却するためのALARMの考え方も印象的であった。

https://www.jashcon.or.jp/oshirase/2018anzen1.pdf

https://riskkyosei.org/cmswp/wp-content/uploads/2021/03/03prof_nakamura210303.pdf

●23.02.04『現代化学史 原子・分子の科学の発展』廣田襄

ボリュームがおかしい。辞書か。おもに18世紀~現代までの科学史もとい化学史がまとめられているのだが、この内容を一人でまとめ切った時点ですごい。第三部前半(20世紀前半)まではなんとかついていけたのだが、第三部後半(20世紀後半)の現代化学はあまりに分野が広範かつ複雑すぎて理解が追い付かなかった。化学は分子サイズの科学なので物理と生物の中間になるため、中途半端といえば中途半端だが、裾野は非常に広い。ほぼノーベル賞受賞者の化学者コラムがけっこう面白い。

●23.02.04『絵とき 化学装置・機器の実務知識』化学装置研究会編

超オススメ。ポンプ・ファン、塔槽類、熱交換器、各種弁類など、いわゆる化工機器が絵ときで解説されている。設計や運転のTipsも記載されておりお得感。強く復刻を希望する。

●23.09.02『重大ハザードのリスクを下げるLOPAー防護層解析ー 簡素化したプロセスリスクアセスメント』CCPS 化学工学会安全部会 監訳

定性的なHAZOPと定量的なRAの中間となるLOPAの手法についてアメリカの原文献を訳したもの。高い。基本的には、想定した事象の許容リスク以内となるように事象の発生頻度をハード・ソフトの安全対策を講じて下げるというもの。発生頻度は概算で求める。基本はHAZOPで出てきたシナリオのうち、特に考慮が必要なものについてLOPAを追加で行う感じになるか。SIS・SIL等の用語、モデルケースとLOPA例が載っており、手は出づらいが持っていてもいいかも。

●23.09.16『物性推算とその応用』化学工学会編 基礎物性部会著

気液平衡やPVT関係、粘度、熱伝導率、その他各種物性についての基礎・応用について。推算式の数々、測定方法、最近の技術トピックなどはいいとして、やや雑多な内容のレビュー論文集といった感じがあり、かゆいところに手が届かない感じも。

●23.11.26 "Chemical Engineering Design: Principles, Practice and Economics of Plant and Process Design" Gavin Towler, Ray Sinnot

前半はプロセス設計の概念的なトピックにシミュレータ、コスト計算、安全。後半は圧力容器、反応、分離、伝熱、輸送などの単位操作および機器設計の話。概論~専門の中間とみせかけて少し専門よりで普通の化工本より結構ほりさげ気味でええ感じ。

●24.07.13『社会人のための化学工学入門』斎藤恭一
なんだか「ジワジワ」「ドヤドヤ」「マヒモ」などの言い回しやダジャレの数々に既視感があると思ったら、『道具としての微分方程式』の彼。三大移動量とそのアナロジー、量と時間を定量化する化学工学の神髄、三大微分方程式の解法に加え、著者の吸着除去関係の宣伝もしつつ逆解析してモデルと現象理解を深める。”TOIChE”なる造語をつくったりと自身の言語センスに自信がある模様。無味乾燥な教科書の副読本といった感じ。

 

<機械設計・配管・化工機器その他技術一般>

●『絵とき 配管技術 基礎のきそ』

化学プラント技術者必携。強度・圧損計算、弁の種類や金属の材質、振動や腐食などの留意点までヴォリュ―ミーな内容。

●『絵とき 機械設計 基礎のきそ』 

金属加工やネジ・軸・減速機などのメカ要素、「キリ」や「切欠き」などの用語、公差については理解していた方がよさそう。

●『トコトンやさしい 機械の本』 

機械の定義にはじまり、歯車や軸など機械の構成要素をあげ、身の回りの機械がどのような仕組みで動いているのかを解説。どうやって思い描いた動きを実現するのか、またある動きがどのような要素を組み合わせて実現しているのか考えるクセをつけると楽しそう。 

●『トコトンやさしい 機械設計の本』

設計の流れ、必要な学識、機械要素、規格など、機械設計の概観をつかむ。さらっと流しすぎなところが散見されるのであくまで入門書の入門書として。

●『絵とき バルブ 基礎のきそ』

上記の姉妹本。バルブ・弁の種類・構造・選定・保守まで一通りカバー。手書き感あふれる図も多く挿入され、著者のサーヴィス精神を感じさせる。 

●『絵とき ポンプ 基礎のきそ』

ポンプの内部構造・部品の名称にはじまり、性能曲線の見方やNPSH算出法、さらには据付・運転・保守まで。

●『トコトンやさしい 圧力容器の本』

圧力容器の設計・製作・据付・運転の入門書。塔・槽の具体的な外観や内容物も図入りでわかりやすい。「トコトンやさしい~」シリーズは入門書としては結構アリ。

●『トコトンやさしい 配管の本』

古代ローマ水道から石油化学プラントまで。配管とその付帯設備が図を見てイメージできる。もっとくわしく知りたい人は『絵とき 配管技術 基礎のきそ』を読んでね。

 ●19.03.13『機械製図のおはなし』中里為成

おはなしシリーズ。図面のいい例・悪い例を図示しながら、線の使い分け、寸法公差、表面仕上げ、溶接記号などを語り口調で解説。良い図面のまね、図面と実物のあくなき見比べが機械設計技術者の眼力を高めるのだろうなあ。

 ●19.03.13『作業工具・取付具入門』澤武一

日刊工業社の入門シリーズ。意外とこういう当たり前のことは明文化されていなかったりする。工具の名称や使い方の基本はもちろんのこと、ドライバは押す力7:回す力3で使う、錆は木工用ボンドでとれるなど、豆知識も教えてくれる。

 ●19.03.13『一番最初に読む機械保全の本』吉川達志

駆動系および潤滑油の取り扱い、空圧・油圧設備の仕組みと保全のチェックポイントを説明。標準書やチェックリストも参考になる。変化を見逃さないため清掃をきっちり行うことを強調。

 ●19.03.17『配管設計入門』西野悠司 

最近売り出し中の西野さん。配管耐圧や圧損計算はもちろんのこと、配管のたわみやサポートの計算まで、配管何でもござれ。構造物に働く力のイメージなど、エンジニアの直感も養成する。演習で具体的な計算フローも学べるし、計算式や規格のハンドブックとしても使える。

●19.06.05『Excelで学ぶ配管技術者のための流れ解析』坂東修

損失エネルギーを最小化する経路を自然は選択するので、その原則を踏まえて複雑な配管経路の各部分の流量を求める方法を伝授する。汎関数の導入とソルバー駆使が見どころか。

●19.06.15『「製図」のキホン』小峯龍男

初級者向けだが、適度に深みがある。線種、公差、表面仕上、はめあい、 溶接、歯車、軸受、ねじなど一通り学べる。ハンドブック的に使える程度の内容はある。3DCGが地味にありがたい。切削工具の説明もされており、どうやって工作するかを考慮して製図するよう指導される。プチ演習もあり。

●19.11.08『「流体工学」のキホン』小峯龍男 

この手の本にありがちな、よもやま話ビュッフェ方式。まとまりがないが定性的なイメージを醸成できる(流線、抗力、ベルヌーイ効果、水頭、反作用力など)。流体の不思議な性質に関し興味が深まるはず(ランキンの組み合わせ渦、流線曲率の定理、コアンダ効果、マグヌス効果、カルマン渦など)。

●19.11.08『メカトロニクス概論』古田勝久ほか

メカトロニクス、それは「機械・電子・情報・制御のような基盤技術の相乗的な統合技術」。

概論の名に恥じず、浅く広く種々の技術領域をカバーする。技術士機械なんかを受ける人は読んでおいてもいいかもしれない。

●19.11.09『繊維の種類と加工が一番わかる』日本繊維技術士センター編

第3章までの繊維の基礎的な話(FYとSF、化繊の種類、紡糸方法)までは興味を持てたのだが、それ以降の織り方・編み方、加工方法、製品などの話は右から左に流れていった。

●20.01.15『実践メカトロニクス 油圧・空気圧』仙田良二

ちと古いが、空気圧・油圧に関する回路図の例(構成機器のイメージ、メータイン回路・ブリードオフ回路など)がたくさん掲載されており脳トレになる。イラスト(図面)が多いのも○。

●20.03.25『化学プラント配管設計の基本』石井泰範

雑誌「配管技術」を基にしたニッチかつ古風な本。プロジェクトマネジメントや配管レイアウトなど。高度経済成長期どストライクの著者の経歴のところが一番面白かったりする。誤植が多いのでよく校閲すること!

●20.04.06『ねじの知識』田村修
ボルトの締め付けトルクと軸力の関係などを知りたかったので。6章~9章だけで十分かも。そのほかはねじの歴史・熱処理・製造方法・関連工具などのよもやま話といった感じか。薄いので読みやすくはある。

●20.05.14『配管百科』配管百科編集委員会

プラント、機械装置、上下水道、給排水、空気調和、消防…「配管という深い森」の「豊かさに触れ」させようという、その意気たるや良し。ただ体言止めを多用する文体のこなれてなさが気になるかも。記述内容はあっさり。まあ、浅く広く、配管世界の拡がりを知る入門書としては良いのでは。 業界事情、特集(マレブルバルブ、戦艦大和阪神淡路大震災など)、マンガもあって読み物としては面白い。

●20.05.27『水素エネルギー読本』水素エネルギー協会

技術士のネタ仕込みの一環として。水素エネルギー導入の意義、水素の特性、水素導入に関わる具体的な技術とその動向など、一通りカバー。水蒸気改質、CO2貯蔵、有機ハイドライトなど、芋づる的に技術の拡がりを感じられる。が、2006年と若干古いのが気になる。

●20.12.17『空気調和ハンドブック』井上宇市
90歳の時に出した模様。空気線図の読み方、熱負荷の計算、ファン・ポンプ・熱交換コイル・配管などの個別設備、AHUの制御方法など、基本的に何でも載っている。分厚すぎて手が出しにくいのが却ってマイナスかも。

●21.2.23『電車基礎講座』野元浩
京都鉄道博物館にて入手。モーター、軸受、ブレーキ…いろいろな電車の構成要素を詳しく解説。鉄道は機械、電気、計装いろいろな技術の複合体にして技術のゆりかごなのだ。

 ●21.3.2『蒸留技術 基礎のきそ』大江修造
出たな大江修造。気液平衡の理論から蒸留塔設計の相関式のあれこれまで。気液平衡にかなりページを割いて懇切丁寧に教えてくれるのは素晴らしい。アングルトレイの宣伝はいいとして、日本語が不自由な点はちゃんと出版側が修正してあげるべき。

●21.05.02『機械設計の基礎知識』米山猛

機械設計を志す人向けの入門書。機械要素、寸法公差、接合方法、表面処理、加工方法、材質など、基礎の基礎については網羅しつつも情報を絞ってあるのがうれしい。本格的な趣がある。飽き足りない人は『実際の設計』へGO!

●21.05.29『実際の設計 機械設計の考え方の方法 改訂新版』畑村洋太郎 編著

機械設計のバイブル。機会設計の創造性やそのカバーする範囲がますます広まっている 詳細な各論よりも本質的な思考法(思考展開法、直線運動・回転運動・電気回路のアナロジーなど)に重きを置いている。「思考展開法」は活用してみては。はめ合い、表面粗さ、金属材料、形状創生方法、表面処理、寸法精度の大まかなイメージは初学者に役立つ。設計者に必要な心構えとして、好奇心と継続研鑽を挙げている点には激しく同意。

●21.08.18『実務に役立つ 機械公式活用ブック』安達勝之ら
工学寄りの四大力学問題集といった感じ。技術士一次試験(機械)+機械保全技能検定(機械)をちょうど合わせたような内容。「リベット継手の効率」「ラジアル中間ジャーナルの設計」など渋めのものも。

●21.08.18『続・実際の設計』畑村洋太郎 編著
『実際の設計』のアドバンス版。「設計対象の内部で起こる現象や挙動をモデルとして把握すること」を重視しており、知識とモデルを生かして「価値」を創出するのが設計の神髄であると説く。
詳細な理論や式の説明というよりは、各設計要素の大まかな考え方やイメージ図、それらを整理した図表、ユースケースシナリオといった上流概念に筆を割いている感じ。
金属原子や組織のイメージ、多数のフローチャートや表(金属材料、軸受、シール。配管材料、モータ、位置検出スイッチなど)はお役立ち間違いなし!

●21.08.18『設計者に必要な加工の基礎知識』稲城正高・米山猛
『実際の設計』の加工特化版。旋削・研削加工、穴あけ、熱処理、表面処理、測定など、図版多めでいろいろ書いてあるよ。

●21.10.20『はじめて学ぶ移動現象論』杉山均、佐野正利、永橋優純、加藤直人
サブタイトルの「運動量・熱・物質移動を統合的に理解する」の言葉に違わずNewton・Fourier・Fickの法則その他をメインに移動現象論の本質を理解(?)できる。大学教養課程向けなので出てくる数式も比較的易しめ。境界層の何たるかやNu数やSh数のアナロジーなどへの理解が深まる。

●21.12.26『プラントレイアウトと配管設計』大木秀之、紙透辰男、西野悠司、湯原耕造

プラントエンジニアリング的な視点でプロットプランや配管レイアウトについて解説する。具体的には、バルブの位置やメンテスペース、サポート・ハンガなど。他にも耐圧強度(肉厚)計算、熱応力解析にも触れられており、ノウハウ的に済まされそうな部分が明文化されている感じ。

●22.06.06『よくわかる最新配管設備の基本と仕組み』土井巖
配管要素はもちろんのこと、配管施工や関連法令について書いてあるぞ。まあ管工事施工管理的な内容がメインで、ユーティリティ配管がメインやね。

●22.09.19『プラント配管ポケットブック』プラント配管研究会編
鋼管やアングル・チャンネル、フランジなどの寸法、材質毎の耐用圧力・温度、引張許容応力などプラント技術者必携の内容。

●22.09.19『配管設計・施工ポケットブック』竹下逸男、大野光之
P&IDなどの用語や図面の決まり事、鋼管や継手寸法、P-Tレイティング、圧力損失計算やポンプ能力計算、その他Tipsなど、これまたプラント技術者必携の内容。

●22.10.03『初歩から学ぶ粉体技術』内藤牧男・牧野尚夫 編著
「粉体は魔物」で「ノウハウの塊」。理論式や経験式よりも機械装置の紹介といった感じ。全体的に広く浅くという感じだが、造粒、粉砕、輸送、乾燥、分離など粉体分野の裾野の広さを感じられる。個人的には気流による粉体輸送や粉体圧はもっと知りたいところだった。京大の宮〇教授や松〇教授も共著者。

●22.11.16『JIS使い方シリーズ 圧力容器の構造と設計』小林英男
一圧容器その他の圧力容器のJIS規格について説明。圧力容器の種類と定義、強度計算、材料選定、試験方法、各種付属書の見方など、計算例題を通じて理解を深める。

●22.12.14『蒸留技術大全』大江修造
例のあの人が著者。まずは誤植というか表記のミスが多すぎ。ちゃんと校閲せえ。さて、内容については蒸留の概念や物性推算方法、具体的な蒸留塔の設計方法(トレイダイナミクスとか)、インターナルなどの内部構造、トラブルシューティング、そして最後に著者のトレイ開発経験談などなど。

●23.04.08『絶対に失敗しない配管技術100のポイント』西野悠司
またあなたですか。本だしまくりのあの人。No pocketや液のフラッシュ、応力分布のイメージ、各種機器の機構のイメージを掴める。配管および配管材料、配置、強度計算、圧損・サイジング、NPSH、振動、熱応力、腐食機構などなど。液体や気体の気持ちになることが大事。

●23.09.02『ものがたり 配管の歴史』西野悠司

配管関連の本を多数出版している配管おじさんの著。明らかに自作と思われるイラストがちょっと安っぽく感じられるかも。古代ローマを一つのピークとする配管の利用・製造・運用などについて時系列で語っていく。水頭や圧力損失といった水理学、材質や金属加工・接合技術などの周辺技術にも興味を持たせる読み物となっている。

●23.09.13『ポンプの選定とトラブル対策』外山幸雄

出たなポンプおじさん。「基礎のきそ」シリーズのポンプと同じ人。適用規格、比速度、メカシ、NPSHなど、「基礎のきそ」よりも踏み込んだ内容。具体的なポンプ設計・運転の失敗事例を図解しながらこれでもかと語る。トラブルの分類と分析が見どころで、腐食、振動、軸封・軸受などのテーマごとに具体例が記されている。ポンプの市場動向やこれからの技術テーマもベンダー側にとっては面白いかも。

www.monotaro.com

●23.10.15『「配管設計」実用ノート』西野悠司

配管おじさん再び。同氏の『配管設計入門』の増補版といった感じ。カバーの折り返しのとこ短すぎんか? 最終章の「実習」で配管系の設計一式(損失水頭算出、ポンプ使用決定、温度圧力決定、管強度計算、保温厚み計算、配管荷重計算)をしているあたり、実践的。

●24.01.07『冷凍・空調の基本がわかる本』関上邦衛

冷凍機械の理論と実務全般といった感じ。熱力学、冷凍サイクル、冷凍サイクル、フロン、COP、各種部品などなど。モリエル線図を使うので、勉強がてら冷凍機械責任者でも取ってみようかな。

●24.02.12『絵とき 破壊工学 基礎のきそ』谷村康行
材料力学の拡張版といったところ。弾性変形の範囲を超え、塑性変形を経て破壊へ。亀裂サイズと破壊靭性が数値的に関係づけられる。非破壊検査も。

●24.04.12『はじめての配管技術』岡田旻
配管要素の基本から説きはじめ、フランジ、バルブ、設計のセオリー、強度計算、テスト等々。他にもエキスパンションジョイント、気液混相流、ウォーターハンマーなども。やはり著者の専門の振動低減・配管サポート関係の話題が多い。数式がほとんど出ないので若干物足りない。

●24.05.11『現場と検定 問題の解きかた 機械製図編』ジャパンマシニスト
機械製図技能検定の参考書なのだが、網羅的に書かれているのでハンドブック的に使えるかも。裏表紙のジャパンマシニスト君がレトロでかわいい。いまは失われつつある手書き図面での幾何学的形状の作図方法、過去問一問一答と実技試験の問題例、各機械要素や機器の急所が印象的。全体的に作図以外は広く浅くといった感じ。

●24.05.22『バルブの選定とトラブル対策 現場で起きた故障事例と対処法』小岩井隆

バルブの基礎知識から選定・保全・トラブル事例まで広くカバー。泥臭く現場寄りな内容だが、配管設計者必読か。図やイラストが多くわかりやすい。各所に挿入された「ワァ!」な感じの挿絵が古風かつ素朴でいい感じ。

●24.07.30『図解 管工事技術の基礎』打矢瀅二ら

題名通り管工事施工管理のテキストに使える。給排水・冷暖房・空調等の建築設備の配管施工の基本とコツ、ポンプやブロワ。ボイラ周りの施工とか、冷凍機、冷却塔、タンク全般の据付とかアンカーボルトとか。図が多いのでイメージしやすい。

 

<材料、金属、熱・表面処理>

●19.02.24『鉄と鉄鋼がわかる本』新日鉄住金編著

高炉・転炉での製銑・製鋼、鋼の成型加工、鉄の溶接技術、先端技術トピックスなどを記載。

●19.03.13『鋼のおはなし』大和久重雄

鉄の種類や性状、開発の歴史、名産品などのよもやま話を行う。氏と育ちのいずれも大事であり、熱処理は義務教育であり、鍛えると強くなったりストレスをためるとよくないなど、鉄を擬人化して解説する。いきなり下ネタを入れてくるあたり侮れない(そのためか長寿を全うしている)。

鋼の血統は五元素(C,Si,Mn,P,S)で決まる。ホルモン(特殊元素)を少しずつ多種類入れると効果大SUS304は磁石に付かない。鉄も氏(添加する特殊元素)と育ち(熱処理)が大事。鋼の硬さから強度(引張強さ、降伏点など)を推定できる。圧縮応力は善玉、ストレスは焼きなましで除去できる。

●19.03.24『金属のおはなし』大澤直

金属一般の性質、鉄鋼および銅・アルミニウムなどの金属材料、それらの加工技術について。体心より面心の方が変形しやすい、青銅のSn含有率で鐘の音が変わる、表面エネルギーの説明、brass bandの語源、鉛の水道管でも意外と大丈夫、など身の回りのものから金属への興味を持たせる手法はなかなか。 

 ●19.03.25『溶接入門』安田克彦 

最近売り出し中の入門シリーズ。溶接技術の概要と実作業のポイントなど、実用的な内容。やったことないことを理解するのは難しい。用語の概要は押さえておきたいところだが…。

 ●19.05.19『鉄鋼材料の科学』谷野満・鈴木茂 

材料学シリーズ。ミクロからマクロまで、鉄の何たるかがわかる。内容が学術的なので、一般向け解説書に飽きた人はどうぞ。とりあえず結晶を微細化させれば何とかなるのではと思わせてくれる。

●19.07.06『「金属」のキホン』田中和明

読み物の域を出ないが、金属にまつわるいろんな小ネタ集めや理工的概念理解に役立つのでは。神話、歴史、価格、製法など広範な(わるくいえば雑多な)話題が売りか。抗菌効果、形状記憶合金(応力誘起マルテンサイト)、バンドギャップ、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが靭性のめやすなどもちょっぴり参考になった。コラムという名の漫談には関西人感を隠せない。 

 著者の「地球上で不必要な金属など、なに1つありません」の言葉を金属たちは聞いているだろうか?

 ●19.07.21『熱処理のしくみと技術』仁平宣弘

鉄鋼材料の基礎と表面処理の全容がわかる。表面・断面組織の写真やデータが豊富なので説得力がある。オーステナイトやマルテンサイト、パーライトなど、いまいち文字だけだとわかりづらい金属組織もリアルに感じられるのでは。自分も、表面は焼入れして耐摩耗性を上げ、内面はそのままで靭性を保った人間になりたい。

 ●19.12.27『錆・腐食・防食のすべてがわかる事典』監修:藤井哲雄

金属一般の話にはじまり、種々の腐食とその防食方法をまとめている。オールカラーの写真や図がいい感じ。応力腐食割れや異種金属接触腐食、粒界腐食、エロージョン・コロージョンなどのイメージが具体的になるのでは。pHや結晶構造に注意を向けて、水と酸素(溶存酸素)を目の敵にし、白ガス管×スチームをやめるようになろう。

●20.01.03『マンガでわかる溶接作業』漫画:野村宗弘 解説:野原英孝

とろける鉄工所』でおなじみ。さと子ちゃんと一緒に溶接の基本を学ぶ。溶接は金属同士を「くっつける」んじゃなくて「一体化」させる。溶け込みのイメージや、溶接の種類(被覆アーク、半自動アーク、TIG)とその具体的なイメージが掴めるはず。保護具とTIG溶接がきっと好きになるはず。

 ●20.03.01『マンガでわかる一級ボイラー試験』監修:南雲健治 漫画:柊ゆたか

ボイラーの構造、取扱い、関係法令など。もうちょっと図が多いと嬉しかったかも(貫流ボイラーとか)。師範的おじいさんがけっこうすき。ボイラーのこともいいけど恋のゆくえもな!

●21.08.23『絵とき 工業潤滑剤 基礎のきそ』編著:出光興産 潤滑油部潤滑技術二課

ニッチなのでとかく個別的・具体的な話になりやすいように思えるが、前半の潤滑理論的な部分はトライボロジー的なミクロの話にも触れているので勉強になった。

※基礎のきそシリーズ、最近濫発しているがちゃんと出版前に推敲して明らかな読みづらさや誤植を可及的排除してくれ(出してくれるのはいいんだけどね)。

●24.04.23『JIS使い方シリーズ 鉄鋼材料選択のポイント』著:大和久 重雄

初版1975年の本らしく「鋼材、適所」「鋼には生まれも大切であるが、熱処理という教育も大切」、要所要所で上手いことを言おうとする。各鉄鋼材料の使いどころや性能、硬さやC含有量と引張強度の関係とか。熱処理にN家言あるらしく特にそこでは饒舌になる。鉄鋼中の原子の気持ちがわかるようになるかも。

●24.05.26『工業材料入門』著:冨士明良

表紙が鉄アレイ(背景は応力・ひずみ曲線)。鉄鋼・非鉄金属材料がメインだが、セラミックやプラスチックもそこそこ筆を割いている。地味に元素名の由来が書いてあるのが面白かったりする(ギリシャ・ラテン多し)。各種JIS記号に代表される金属材料を一通り紹介してくれるが、個人的にはSUS329(duplex)が載ってるのが良かったかな。

 

<ポリマー、押出成形、フィルム>

●『トコトンやさしい プラスチック成形の本』

身近な例を交えながら、いろいろな成形方法を豚(㌧)さんが説明していく。流動する溶融樹脂の気持ちが少しわかるようになる。「トコトンやさしい」の枕詞はウソじゃない。

●『わかりやすい押出成形技術』

押出機の内部構造とその役割、種々の成形技術がよくまとまっている。成形初学者にオススメ。

●『プラスチックフィルムの基礎と応用』

代表的な樹脂の特性、フィルム・シートの主な成形法、レオロジー、物性の制御や機能の付与など。比較的わかりやすいので初学者はどうぞ※ただしAmazonでしかほぼ売っていない。

●『プラスチック成形加工学の教科書』

ポリマー流動の小難しい概念がスッと入ってくる。読みやすい。

●『測定から読み解く レオロジーの基礎知識』上田隆宣

粘性と弾性の中間である塑性を探究するレオロジー。レオメータの説明はもとより、tanδ、流動曲線や動的粘弾性の周波数分散など関連領域を概説する。データが多いのはいいがレオロジーの何たるかを把捉できた感は薄い。発展途上の学問ゆえなのか。

●19.04.17『不織布のおはなし』朝倉健太郎 田渕正大

紙・布・フィルターなどの不織布のあれやこれや。ウェブハンドリングにちょっとだけ詳しくなるかも。不織布が使われている種々の製品群、繊維の海島構造、不織布の多層構造、紡糸あるいは不織布の製造方法など。

●19.11.16『入門 ウェブハンドリング』橋本巨

ウェブ(フィルム・シート類の総称)のハンドリングに関し、学術的な理論に基づいた掘り下げを行う(張力やロール速度とウェブ浮上量の関係、張力の半径・円周方向の分布など)。勘と経験に頼りがちになりそうな分野を強固に体系づけようという姿勢は素晴らしい。材料力学や流体力学の復習にもなってよいのでは。

●19.12.14『プラスチックの加工技術』日本塑性加工学会 編

応用寄りのプラ専門書。様々なプラスチック材料の特性、各種成形方法を手堅くまとめている。CAEや試験方法など手広い。

●20.9.30『「機能性プラスチック」のキホン』桑嶋幹、久保敬次

久保さん、クラレの人みたい。ポンチ絵が多いのがウレシイネ。プラスチックの基礎知識・成形方法、分子レベルでのふるまいのイメージ、リサイクルなど多岐にわたる。分子ひもの絡み合い、分子間力、配向結晶化、ミクロ相分離などのイメージを把捉。ベクトランとかPVAフィルムとかどっかで聞いたやつがちらほら…。

●21.08.18『成形加工における移動現象(プラスチック成形加工学Ⅱ)』プラスチック成形加工学会
「移動する"もの"に対する"駆動力"と両者の関係を知ることが移動現象論の本質である」「移動現象の定量評価に慣れることを希望する」ということで、熱流体の移動現象論をプラスチック成形加工に当てはめる。
押出機内の溶融樹脂の複雑な移動のイメージを掴める。電気ヒーター能力簡易計算は参考になるかも。

●22.06.01『ポリマープロセッシング・レオロジー入門』大柳康

ポリマーやレオロジー関連の基本、種々の物性や特性とその測定法、CAEや成形法まで、大体まとまっている。若干硬めなので覚悟。

 

<電装>

●『トコトンやさしい シーケンス制御の本』 

押しボタンSW、ランプ、電磁リレー、PLC、エアシリンダなどの電気回路の要素と構造、電装部分の動作イメージ、電気回路図やラダー図の見方がちょっとだけわかる。世界の解像度がちょっとだけ上がるかも。

●『トコトンやさしい センサの本』

社会インフラを縁の下で支えるセンサ群を広く浅く紹介する。可燃性ガスの検出原理あたりは珍しいのでは。計量から認識への転換・視聴覚以外の五感の模倣など、これからのセンサがめざすべき展望も教えてくれる。 

●『マンガでわかる シーケンス制御の本』 
シーケンス制御には興味はないが大家さんには興味アリアリ。
ご都合主義でも何でもいいからカイ君には己の手で修理してほしかったのだが・・・。
説明時の大家さんのポーズや、だんだんカワイくなっていく服やしぐさに注目。
内容はお察しの通り薄い。そして高い。シーケンス図を見たら大家さんを思い出したい。

マンガでわかるシーケンス制御

マンガでわかるシーケンス制御 [単行本]

 ●19.05.19『基本からわかるシーケンス制御』監修:石橋正基

懇切丁寧にシーケンス制御の動作・代表的な回路の例を説明してくれる。電磁リレーの連係動作や制御機器の動く順番のイメージがつきやすくなるのでは。制御回路の構成機器が写真付きだったり、スターデルタ始動法の説明をしてくれたりと初心者向けとしては出色の出来か。

●22.09.19『電気設備が一番わかる』五十嵐博一
強電・弱電の区別、資格、各種用語、非常用電源、動力設備の構成、自火報設備など一通り載っている。機電系エンジニア(特に機械系!)は読んでおくべきだろう。

 

<建築、工事、安全>

●『施工がわかる イラスト建築生産入門』

建築工事の一連の流れを詳細かつ膨大なイラストで解説。情報量がすごい。小学生だったら日がな一日眺めてそう。

●『まんが めざせ!現場監督』

けんせつ小町がビミョーにかわいいいので読む。人選と現地調査~竣工まで建設工事の一連の流れがなんとなくわかる。地元住民の反対や休業労災が起こるのが教育的。ネットワーク工程表の利用や作業見積りの感覚、リーダーに求められる人格の高さは他業種でも共通か。

まんが めざせ!現場監督

●『まんが よくわかる工事現場の安全』

重機、高所、有機溶剤作業などを例に工事現場の安全管理に関し説明。起こりうる事故、その要因と対策といった事項も。

 ●19.07.21『Excelでいつでも使えるQC七つ道具と新QC七つ道具』今里健一郎 高木美佐恵

QCと新QCが一冊で把握できお得感がある。計14項目に対しそれぞれ、Excelでの演習を丁寧に行っていく。多変量解析はもう少し理論の補足が欲しかった気も。

●22.06.01『工場・倉庫建設は契約までが9割 完璧な事前準備と最適なパートナー選びでつくる理想の工場・倉庫』森本尚孝

「~は~が9割」シリーズの系譜。特殊性の高い工場や倉庫の建設では、通常の建築物以上に施主と工事業者で成果物を作り上げていかねばならぬ。建設に関する関連法令や建築業界の常識も教えてくれる。例の建築確認申請とか、設計施工一貫方式のススメとか、自社の宣伝とか。

●22.09.22『建設業 新入社員読本』中村秀樹、志村満
「およそ一年間で習得すべき基本内容」である、建設業の概況、業務の流れ、法律、用語などについてイラストや写真多めで解説(やや古め)。捨てコンとか玉掛とか法面なんかの謎の用語が多いのよねこの業界。自分で学ぶ姿勢や社会人としての自覚などにたびたび触れている。基本的にゼネコン社員向けで「業者を呼んで業者の責任にすることは技術者失格」などの耳に痛い言葉もある。

●23.12.23『ぜんぶ絵でわかる2 建築設備』飯野秋成
仕事猫(現場猫)をふんだんに使ったイラストにより、給排水、消防、電気、空調など建築付帯設備の全般を学べる。図が多いので概念的な大づかみには向くが、詳しい計算やら法規条文やらは他書に譲るか。まあとにかく、現場猫が多いのは強いわね。

●24.02.12『イラストでわかる建築施工』井上・三村・打矢・本田
各種書類・法規・作業・機械などについて一式書(描)かれている。もうまったくその名の通りです。

●24.07.13『わかりやすい土木の実務』速水洋志

建築だけでなく土木も、ということで。各種巨大構造物である堤防・ダム・橋梁・道路・トンネルなどを造る「大地のお医者さん」である彼らの仕事を紹介する。小説紹介や行基空海の事績、Civil engineeringの語源など、1,2章のよもやま話が意外と面白かったりする。土木の4大工学:土質力学構造力学水理学、水文学。

 

<その他、ブルーバックス・一般向け本> 

●19.06.22『完全独習 現代の宇宙物理学福江純

一般向け解説書の定性的な解説が物足りない人に。漠然と宇宙が好きな人の知的好奇心を充足してくれることだろう。帯にあるように、大学数学初歩の知識があれば「宇宙の多様な物理現象を、手ずから解き明かせる!」種々の用語の語源やファンネルなどの小ネタも地味に面白い。

熱力学、流体力学解析力学原子核物理といった諸分野の共同作品たる宇宙物理学。エネルギー・力・運動量・温度・圧力・ポテンシャルといった物理量同士の関係、現実を切り取ったモデルの数々、式導出や近似のテクニック、数学的大小感覚の養成など、(高校球児にとっての白球のように)いかに式を追ったかが理工系人間の思考の深みを決定づけるのかもしれない。下記Appendix.B。

http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/lecture/astronomy/appendix_B.pdf

完全独習現代の宇宙物理学 (KS物理専門書)

●~2021.1.17まで

・新技術開発センター技術士第二次試験「化学部門」回答事例集(H27~R1)
技術士第二次試験 要点と<論文試験>解答例(大原良友、福田遵)
技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード(Net-P.E.Jpn)
技術士第二次試験 口頭試験 受験必修ガイド(杉内正弘 福田遵)
⇒至れり尽くせりの内容。いかに咀嚼して、練習して、実力を200%発揮できるか!

 ●21.04.11『理科系のための英語の書き方』岩本直樹

科学論文ライティング本(推薦状・履歴書(CV)・ビジネスレターも含む)。「正確に、わかりやすく、簡潔に」書くのが大事。表現例とか語のニュアンスについて知れる。また、おなじみの略語(i.e.とかet al.とか)や数学記号・数式の書き方・読み方(素因数分解=prime factorizationとかA times[by] B equals CとかA divided by[over] B equals C)に関する話も地味に嬉しい。

●22.07.08『トヨタ産業技術記念館ガイドブック』

5月に急襲したトヨタ産業技術記念館であるが。自動車よりも繊維関係の機会の展示が印象的であった。時系列の展示になっており技術史をトレースできる。綿がちょっと触れるだけでくっつくとか、横糸を通す速度が織機の律速になっているとか、なかなか学びが多いのでエンジニアは一度は行っておくとよいぞい。さて本書であるが、密度がすごいことになっている。紡績機械、織機、自動車の構造、要素技術、加工技術、技術史など、お腹いっぱいになる。まあとにかく、技術力向上へのたゆまぬ精神、車があまりにも多くの技術が織り込まれた製品であることを知ることができる。

https://www.tcmit.org/

●22.09.22『タグチメソッド入門』田口伸

田口玄一の息子が品質工学への扉を開く。料理とかゴルフのスコアとか例が多いので割とわかりやすいのでは。ロバストネスやSN比等の概念をインストールできる。コーヒーブレイクでは父の名言がたびたび紹介される。

「パラメータ設計の一番の目的は設計概念の限界を見極めること」。統計学線形計画法などの関連分野の学習意欲を惹起する。

 

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