永遠のジャック&べティ
永遠のジャック&ベティ (講談社文庫) [文庫]
著者:清水義範
評価:C
表題作はおもしろいが、それ以外はあんまり。1988年刊行。
●永遠のジャック&べティ
昔の英語の教科書では、登場人物の名前はジャックとべティだったらしい。
その二人が50歳になって再会。しかし、なぜだか例の直訳風の言葉づかいでしか話せない。
J「あなたの息子は野球をしますか」
B「いいえ、彼はしません」
「彼はフットボールをしますか」
「いいえ、彼はしません」
「彼はピアノをひきますか」
「いいえ、ひきません」
「彼は何をしますか」
「彼は時々麻薬と強姦をします」
気まずい沈黙が流れた。
B「彼女(Jackの妹)はどうしているのですか」
J「彼女は十代の後半の時、映画女優になりたいと思いました」
「オー、そうですか」
「そして彼女は何本かのハード・コア・ポルノ・ムービーに出ました」
「オー」
「そしてその後、突然消息不明になり、それから何の音沙汰もありません」
「オー・ノー」
●ワープロ爺さん
誤変換。もっと面白くできるはず。
●冴子
入院を機に堕ちていく爺さんの日記。こうはなりたくないものだ。文中の×の意味は?
●インパクトの瞬間
「遠赤外線」などの言葉でよくこれだけ遊べるなあと感心するのである。
●四畳半調理の拘泥
擬人法の多用。
●ナサニエルとフローレッタ
荒唐無稽な映画の荒唐無稽な解説。
●大江戸花見侍
普通すぎ。
●栄光の一日
こういううるさい年寄りにはなりたくないもんだ。