Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
それでも、日本人は「戦争」を選んだ [単行本(ソフトカバー)]
著者:加藤陽子
評価:B+

東大教授の著者が、栄光学園という中高一貫校で行った講義をまとめたもので対話調。表紙の絵ははイマイチ。題名の「戦争」は、太平洋戦争だけでなく、日清・日露戦争第一次世界大戦日中戦争も含んでいる。19c末~20c半ばの東アジアおよび世界の趨勢を知るための教科書たりうる。こんな講義が受けたかった!
与えられた情報のなかで、必死に、過去の事例を広い範囲で思いだし、もっとも適切な事例を探しだし、歴史を選択して用いることができるようにしたいと切に思うのです。歴史を学ぶこと、考えてゆくことは、私たちがこれからどのように生きて、なにを選択してゆくのか、その最も大きな力となるのではないでしょうか
―――本書は歴史学の意義について大きなヒントを与えてくれた。
外交や経済、国内外の社会情勢などに関する、豊富な資料を交えながらその時代のイメージをくっきりさせていき、その流れを様々な立場から追体験できる。著者は結論を示す前に、読者に質問を投げかけてくる。読者は著者のヒントに従って、答えの方向に少しずつ迫っていく。本書のこの姿勢により、「なるほどね」と、読者は近代日本史への理解をより深めることができる。はず。小ネタ満載で読者を飽きさせない。