Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

夜行

夜行 (小学館文庫)

【概要】
著者(監督):森見登美彦

ホラーな森見登美彦は初体験かも。
ぞっとする荒唐無稽な怪談の焦点は10年前に姿を消した長谷川さんに集まっていき…。
「彼女はまだあの夜の中にいる」。光と闇の入れ替わりには恐怖と神秘を感じた。某神隠し的な不思議な世界を垣間見る。叡山電車への憧憬も見どころ。

 

【詳細】
<目次>


<あらすじ>

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<メモ>

学生の頃、叡山電車は私にとって浪漫だった。夕闇に沈む町を走り抜けていくその姿は、まるで「不思議の国」へ向かう列車のように見えた。たまに乗ったときには、ひどく遠くへ旅をしたように感じられたものである。

 

  • 尾道などの旅行先、叡山電車、夜の京の町、そして織り交ぜられる怪談(; ・`д・´) 旅情にまったりする暇もなく、突然のバイオレントや理不尽な展開にぞわぞわ。
  • 一軒家の奥さん、山道のドライブ、幼い日の思い出と燃える家、女子高生と坊主…こわっ(; ・`д・´)

 

「……あの家には誰もおりませんよ」

(; ・`д・´)

 

たとえば子どもの頃、午後にうたた寝などをして、唐突に目が覚めたときのような感じでした。家がよそよそしく感じられて、家族の姿はどこにも見えない。自分が今どこにいるのか誰も教えてくれない。何か大事なできごとが進んでいるのに自分だけが置いてけぼりになっている。そんな感覚に似ているんです。

 

小学校からの長い帰り道をひとりで辿っていくとき、貯水池の土手に長く延びた影に感じていたような感覚です。

 

「曙光」と「夜行」は表裏一体をなす作品なのだ。かつて私のいた世界から見れば「夜行」に見えるものが、こちらの世界では「曙光」に見える。鞍馬の火祭を見た帰り道で仲間たちとはぐれたとき、私は「曙光」の世界に迷いこんだにちがいない。

 

 今こうして自分が夜をさまよっているとき、どんなに遠い街も同じ夜の闇に包まれて、膨大な数の人々がそれぞれの夢を結んでいる。この永遠の夜こそが世界の本当の姿なんじゃないだろうか。

 

そのとき「夜行」という言葉が頭に浮かびました。
もう二度と長谷川さんに会うことはないだろうと思った。しかし私には、十年ぶりに接した彼女の声や仕草をはっきりと思い浮かべることができる。彼女には彼女の歳月があり、私には私の歳月があった。

 

pdmagazine.jp

 

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