Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

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陸軍中野学校全史

陸軍中野学校全史 (論創ノンフィクション 013)

【概要】
著者(監督):斎藤充功

小野田さんでおなじみ陸軍中野学校の何たるかについて、可能な限り復元を試みた。辞典のごとき分厚さを誇る(630頁)。著者曰く、『もっとも知りたかったことは「卒業生の戦後」であった』。また、留魂碑二十三年祭にて、「私は、そのとき決意したのである。前身の後方勤務要員養成所時代を含め、七年間だけ存在した陸軍中野学校の戦後史に風穴を開けてみたい、真実の中野学校とは一体どのような組織であったのかを知りたい、と」。

「生きて任務を遂行せよ」と生存が至上命題となる中野学校の一種独特な雰囲気や教育方針、インテリジェンスや諜報部の必要性が印象的であった。

 

【詳細】
<目次>

  • 序章 帝国陸軍のインテリジェンスの歴史
  • 第1章 異色の軍学校「陸軍中野学校」とは、どんな学校だったのか
  • 第2章 封印されてきた数々の極秘計画
  • 第3章 特殊工作の真実
  • 第4章 一四人の証言
  • 第5章 陸軍が主導して創った巨大商社
  • 第6章 陸軍中野学校と陸軍登戸研究所の強い絆
  • 第7章 陸軍中野学校と戦後情報機関
  • 第8章 受け継がれた中野の遺伝子
  • 第9章 スパイマスターの虚構と現実
  • 資料

 

<メモ>

  • 日露戦争名脇役・明石大佐や、映画「二百三高地」でおなじみ沖・横川コンビから説きはじめ、インテリジェンスや諜報部の必要性を説く。
  • 「中野は語らず」「諜報は誠なり」。
  • 小野田少尉にもインタビュー済み。さん付け文化や入校者の幅広いバックグラウンド、バラエティに富む教育科目、忍術やスリの実演、フリートーキング式の授業、休日は背広に長髪でパンピーのふりをするなど、この時代にあって独特な教育方針が面白い。
  • 外川「敵地ではいつも学校で教えていた"死は絶対に駄目だ。生きて任務を遂行せよ"という言葉を反芻していました。中野の教えは"死ではなく生き残る"ことなんです。 激戦地から生還できたのも、この教えを固く守っていたからだと信じています」」
  • 牧澤「中野学校で受けた教育は、私の人生にとって決して無駄ではなかったと思っています。あの時代、日本人は『天皇や国家に忠誠を尽くす」 ということが至誠とされていましたが、 中野の教育で学生に求められたものは国体イデオロギーよりも『個としての資質』でした。資質とは『生き延びる諜報員は優秀である』ということなのです。それが、中野教育の基本であったと、私は理解しています」
  • 杉工作(紙幣偽造)などの数々の特殊工作や阿片ビジネス、ロシア少数民族高砂族リクルートなど、大日本帝国は結構官民でいろんなことをやっていた模様。

 

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