簡単ではあるが、読書メソッドの覚え書きを記す。
少しでも参考にしていただければ幸いだ。
●時間の傾注
とにかく時間を傾注すること。
それができないのなら、大して読む気もないということだし、他のことに時間を回したほうがいい。
別に読書だけが「高尚な趣味」ではないし、人による適性もあるし。
あ、こういったアプリもおすすめよ。
●とにかく続けること
携帯端末に溢れるいろんなコンテンツをふりきって、読書を選んだあなた。
えらい!
眠くても忙しくても1日5分しか読めなくても、諦めず読み続けること。
1ページでも進んだら自分で自分をほめてやろう。
また、いつヒマな時間ができるかわからない。いつもカバンには文庫本や新書本を忍ばせておこう。もしも待ち時間ができたら、ラッキーとばかりにカバンから本を取り出そう。
●くさびを打ち込むこと
情報の流れを適宜せき止めながら読んでいないと、たくさんの本を読んでも、笊から溢れる水のようにエッセンスが零れてしまう。難しく緻密な本は特に。
そこで! ふせんの登場だ。
くさびを打ち込むように、ビビッと来たところふせんを貼りながら読んでみよう。
書き込みでもいいけど、紙面を汚すのが苦手な人もいるしね。
そして、あとから読んだときにめくりやすくて楽だしね。
●交互に読む
読書習慣がついてきても疲れるものは疲れる。
難しい・根気のいる本と、読みやすい本・マンガとを交互に読むといい。
そう、スポーツにおいて、運動と休憩のバランスを取るのが大事なようにね。
たとえば、易しめ新書と岩波文庫、小説・マンガと理工書など。休憩時間のスマホもいいけど、やりすぎないようにね!
●読書のススメ集
つねに読書のために一定の短い時間をとって、その間は、比類なく卓越した精神の持ち主、すなわちあらゆる時代、あらゆる民族の生んだ天才の作品だけを熟読すべきである。
読書は人生の大きな喜びの一つである。一巻の書を手にしておれば、この喜びはどんな時どんな所でも味わうことが出来る。必ずしも燈火相親しむべき季節を持たなくてもよい。春夏秋冬皆可なりである。残暑の一日が暮れた夕方、窓を開いて微風を納れ、蚊遣火を焚いて明るい電燈の下に落ち着いて書物をひもとけるということは、しかしながらまことに有り難くもったいないことである。
読む側であらかじめ切実な問題を自分自身のなかに持っていて、しかも、その問題が同時に、読む本の問題でもあるという場合でなければ、そもそも書物を本当に理解できるかどうか疑わしい。
学生の時代に読書の習慣を作らなかった者は恐らく生涯読書の面白さを理解しないで終るであろう。
読書とは自己検証、自己嫌悪、自己否定を経て、究極の自己肯定へと至る、もっとも重要な武器なのである。生きて行くということは矛盾や葛藤を抱えて、それをどうにかしてねじ伏せるということだ。
読書は吾を救ふてくれた。
世に文字なかりせば吾は今頃如何なるものとなつていたか。
思へば読書は恩人である。教師である。吾に於ては、正に唯一の教師であつた。否、人生の教師でありつゝある。