Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

目に見えないもの

著者:湯川秀樹
評価:B

【粗評】
戦前に発表された湯川センセイの文章を集める。御謹製の和歌も。
彼の慧眼は現代にあっても色褪せない。

第一部では素粒子物理学に限らず自然科学一般について。
第二部・第三部は来歴などよもやまのエッセイ。

そこかしこに顔を出す感謝のことば、
そして味わい深い文章からは、彼がわが国の誇るべき学者であることは明白。

頭も身体も疲れ切って家路を辿る頃には、夕日が西山に沈みかけている。それを眺めて何ともいえない絶望感に襲われたことが何度あったか知れない。その時には心底から自分は理論などやっても駄目なのだと思った。しかしあくる日になるとまた元気を出して勉強した。

 

一世代は本当に短かいものである。時は小川の水のように流れる。川の底に残るのはただ幾つかの小石である。美しい小石、人はこれを思い出と呼ぶ。 

 

読書は人生の大きな喜びの一つである。一巻の書を手にしておれば、この喜びはどんな時どんな所でも味わうことが出来る。必ずしも燈火相親しむべき季節を持たなくてもよい。春夏秋冬皆可なりである。残暑の一日が暮れた夕方、窓を開いて微風を納れ、蚊遣火を焚いて明るい電燈の下に落ち着いて書物をひもとけるということは、しかしながらまことに有り難くもったいないことである。  

 

水は凍った時に初めて手でつかむことが出来る。それはあたかも人間の思想が心の中にある間は水のように流動してやまず、容易に捕捉し難いにもかかわらず、一旦それが紙の上に印刷されると、何人の目にもはっきりした形となり、もはや動きの取れないものとなってしまうのと似ている。まことに書物は思想の凍結であり、結晶である。

 

【学んだこと、生かしたいこと】
枕元にノート。