評価:B
【評】
読書は吾を救ふてくれた。
世に文字なかりせば吾は今頃如何なるものとなつていたか。
思へば読書は恩人である。教師である。吾に於ては、正に唯一の教師であつた。否、人生の教師でありつゝある。
水木しげるの出征前手記から話を膨らませ、
当時のインテリ青年読書事情にも触れる。
さながら、書物を読むことで時局を乗り越え、人としての完成が望めるかのように、彼らは本を信仰していました。これがとても印象的だったのです。
河合栄治郎『学生と読書』などを紹介しながら、近代教養主義の黄金期を垣間見る。