評価:B
【評】
©小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかないから
このことに気づいた源一郎、その人にしか書けない小説の書き方を探していくための手引きをする。
以下のように。
基礎編
〇小説は書くものじゃない、つかまえるものだ
〇世界を、まったくちがうように見る、あるいは、世界が、まったくちがうように見えるまで、待つ
実践編
〇小説を、あかんぼうがははおやのしゃべることばをまねするように、まねる
〇自分のことを書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて
『原始林とペータージーリエ』、
益々かしこく、刹奈紫乃などの剛速球で全力キャッチボールをする中で見えてきた、
ことばの魅力、文章の魔力。
詩でも、戯曲でも、評論でもない、また、いわゆるふつうの小説でもないのに、こころを揺さぶり、それを読む以前のようには、世界を見ることができなくなるような、そんなことば。そして締めくくり。
それもまた、わたしは、やっぱり、小説と呼びたくなるのです。
わたしが、この「小説教室」でやりたかったいちばんのことは、あなたに、ことばというもののすばらしさをもっと知ってもらうことでした。その結果として、あなたが、もっとことばに興味をもち、もっとことばにひかれ、ついには、ことばを作りだしてみたい、と思うようになったとしたら、それに優るよろこびはありません。