Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

なぜローカル経済から日本は甦るのか

著者:冨山和彦
評価:B

【粗評】
日本のGDPと雇用のおよそ七割を占めるのは、製造業ではなくサービス産業だ。
しかも、サービス産業の大半は、世界で勝負するようなグローバル企業ではなく、国内各地域内の小さなマーケットで勝負するローカル企業だ。
(中略)
これからの日本の経済成長は、ローカル経済圏のサービス産業の労働生産性とその相関関数である賃金が大きく左右すると考えていい。

経済をGの世界、Lの世界に分けてそれぞれの現状と処方箋を示す。

私たちは、GとLをそれぞれに使いこなし、選択していけばいいのである。
(中略)
この二つのモードを柔軟に選択できる社会を、これからの日本は追求すべきだと思う。

めざすは、GとLの共存共栄。それは十分可能であると説く。
イデオロギー論争を避け、構造的な問題をありのままに見つめ、着実に対処せよ。
世界に範たれ、日本。

基本的にはサービス産業に多くのページを割く。ふみこんだ具体的な方策を示す。
「やはりLの世界のキーワードは集約化だと思う」
「これからの平均的な日本の家庭モデルは、Lの世界を軸に構想していくべきなのだ」
さらには体育会系のたとえ。

突出した才能をぶつけて戦う世界に、ごく平均的な人を吸収していくことは現実的ではない。
むしろ、ローカル経済圏において、県大会レベル程度の高い水準の生産活動を行うことができるようにすることだ。