Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ (文春文庫)
クライマーズ・ハイ (文春文庫) [文庫]
著者:横山秀夫
評価:B

日本航空123便墜落事故を記者時代に間近で経験した著者が描く、七日間の闘い。
主人公・悠木40歳の過去と57歳の今が交錯しながら物語が展開する。メインは1985年の過去。
日航の全権デスクである悠木は苦悩しながら、ぶつかりながら、決断を下していく。
やや詰め込み過ぎな感もあり、読んでいてかなり疲れるが、真の記者とはどうあるべきか、を考えずにはいられない。
新聞社の現実味ある描写は12年の記者生活がなせる業か。

“≪墜落現場は群馬県多野郡上野村山中!≫
 どよめきは起こらなかった。
 この先の長い戦いの決意を固めるように、みな無言で映像に見入っていた。この山で五百二十四人の人間が死んだ。この輝く山で。
 静かなフロアに小さな声の雨粒が落ち、次第に雨足が強まり、やがては土砂降りの声となっていつも通りの大部屋へと戻っていった”