惑星のさみだれ
惑星のさみだれ 1 (ヤングキングコミックス) [コミック]
著者:水上悟志
評価:A*
全10巻。高校生のときに出逢った。青年誌なので刊行ペースが遅くやきもきさせられた記憶が。大学生になって読み返すとまた新たな感慨が。
当初は「新感覚ご近所ストーリー」と銘打たれていただけに、お話の初速はゆっくり。5巻くらいから弾みがついてくる印象。スロースターターの漫画であるといえよう。キャラクター同士の絡みは陳腐で日常的、けれどもその密度の濃さが、本作品の不思議な魅力を生み出す一因なのかもしれない。また、「掌握領域」「ビスケットハンマー」などの作者独特の感性も光る。
主人公の夕日君ははじめ、「消す」とか「殺れる」とか口走るアブない根暗メガネの青年だったが、1年の間に出逢いと別れを繰り返し大きく成長、「誰よりも熱く強いヒーロー」になった。半月たちの姿を見て、夕日たちは大人になり、その姿を見た太陽たちがまた大人になっていく・・・。子どもと大人の境界はとてもあいまいだけれど、子どもに「大人になれば楽しいことはあるんだ」と思わせるような、そんな大人にならなくっちゃ。
最終話は作者も言っているように「エピローグ多めの構成」だったので大いにJavaさんの欲求を満足させてくれた。最終ページはカラーだし。ありがたやありがたや。カポォ大量発生で死にたくなったのは秘密だ。
運命は決まっていない
お前が決めろ
こうして・・・
ぼく達は少し
大人になった