【概要】
著者(監督):アルチュール・アラリ
意外と面白い(; ・`д・´)。
30年近く比・ルバング島でサバイブし続けた小野田寛郎の実人生を参考にしつつ脚色を加えてある模様。
イッセー緒方少佐のおもしろレクチャーシーンとか、旅立ちの日の訓示とか、少壮少尉が荒くれ部下をまとめきれないところとか、隊が分裂していくところとか、地元住民から物資を徴発(強奪)したり彼らを殺害したりとか、断片的な情報・状況からおもしろ分析をかましちゃうところとか、オッさんの部下と褌一丁で海に沈む夕日を眺めるところとか、最後は一人きりになってしまうところとか、鈴木君と歓談?するところとか。見どころたくさん。3時間ながらも意外と飽きさせない作りであり感心感心。ちゃんと日本人キャスト・日本語をフル活用しており感心感心(やや聞き取りづらいが)。
元少佐の「ご苦労様でした。ゆっくり休んでください」→無言でルバング島を後にする小野Dの流れには感慨深いものがあったわな。影響されて関連本を密林で購入したぞい(『たったひとりの30年戦争』、『陸軍中野学校全史』)。
【詳細】
<メモ>
- 3時間。年号が1944とか1950とか1974とか表示されるのがじれったい。
- 青年期から壮年期ONODAへの転換。前者のにきび面と後者の役作りが印象に残る。
- 指揮権や現場経験がないので部隊をまとられず分裂。さらに分裂し三兄弟消滅(ナゾのフルーツによる)。残り4名になってからも2名戦死1名逃亡。四人衆のピリピリしたムードと逃亡劇。独自に判断し行動する指揮官となるのだ! その間に犯した殺人は数知れず。殺人は国家間のアレで個人的な罪には問われなかった模様(; ・`д・´)
- 意外と一人だった期間は短く、小野田さんが孤独になって行く過程を味わえる。ハゲ散らかしたおっさんいなくなった後は辛かったやろなあ。そこに現れた謎の若者。彼すごすぎ、語らって涙。少佐生きててきててよかったねえ。現地軍民に見送られ乗り込んだヘリから島を見下ろしたときの、えもいわれぬ感情。ONODAの30年間、戦争は何だったのだろうか…。
- イッセー緒方もとい谷口少佐が出てくると大体おもろい。帽子で椅子のホコリはたくところとか、謎の塗料で壁に止まったハエを排除するも天井に変わり種が残っているという例え話とか、「佐渡おけさ(多分)」の替え歌で即興性をテストするところとか、訓示のときに「必ず迎えに行く」と宣言しちゃうところとか、戦後にガチめにONODA忘れているところとか、GO TO ルバングして「ご苦労様でした。ゆっくり休んでください」と命令下達しちゃうところとか。
- No.2の小塚のオッさんが非常にいいダシを出している。二人で世界地図を眺めて盛り上がったり、泳いだ後に「あんたが隊長でよかった」とか言ったりね。タメ口まじりなのもいい感じ。
- 肉親の和歌に南・岸・声→島の南岸に援軍到来! などと意味を見出すいじらしさと認知のゆがみ(; ・`д・´) ただ、気が抜けない毎日の中にあっても、何もない島の各地に地名をつけていく楽しみとか、家や道具を作ったりとか、何かしら楽しみを見出して行ったのだろうと推察する。