【概要】
著者(監督):髙嶋博視
サブタイトルの通り「東日本大震災における海上自衛隊の活動記録」約3ヶ月(ピークは前半1か月)の記録。幼稚園園児の救出(手紙あり)にはじまり、原発への冷却水運搬ミッション「オペレーション・アクア」がクライマックスで、一連の任務終了後の8/5に退職。なんというタイミングで指揮を任されたことか。救助・捜索、遺体収容、物資(食糧⇒必需品)運搬、生活支援・サービス提供、減勢というように、活動内容が地震発生後の経過時間によって変わっていくのがリアル。「本活動が高く評価されたのは、ひとえに隊員ひとりひとりの献身的な行為・行動によるものである」とのこと。
関係部署とのホットラインを構築すること、兵力を逐次投入しないこと、普段から脳内シミュレーション(頭の体操)を行うこと、同期を大事にすること、レポートラインの結節を少なくすること、隊員の心身リスク低減に努めること(人のローテーション含む)、大局観を持ち続けること、情報を取捨選択すること、業務の優先順位を付けること、明瞭な指示を行うこと、緩みがちな頃に注意喚起すること、貴重な体験を記録に残すことなど、上位者ゆえに管理職向けの教訓が得られる。
一応組織図はあるが、組織間の所掌や関係が難しい…。
【詳細】
<目次>
- 第1章 初動
- 第2章 本格的な救援・支援活動
- 第3章 生活支援・行方不明者の捜索
- 第4章 福島第一原子力発電所オペレーション・アクア(真水作戦)
- 第5章 減勢
- 終章
<メモ>
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/tamokutekisen/2/pdf/shiryou01.pd
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