【概要】
著者(監督):馬場悠男
ヒト(というか生物)の顔がどのようにできたか/変化したかを、ご先祖様の数十億年の苦闘の歴史を辿りながら(ときに寄り道しながら)概観する。可視光や音波、化学物質などに対する各種センサが集約された部分が顔なのだが、我々はなぜこの部分の造形に一喜一憂し、振り回されるのか。その謎を追うべくタイムマシンに乗り込む。
現生人類の「顔」のつくりに入るまでが長いのだが、それが却って面白いんだな。古生物の頭部に顔らしきものができて、脊椎動物の頭部が徐々に変化し、霊長類の顔がだんだん現生人類に近づき、生活環境や気候によって人種的な形状の違いが生まれていったんだなあ。それにしても香原先生が頻出するが、彼に対する著者の敬愛と先生の顔に対する研究の幅広さがすごい。
【詳細】
<目次>
- 序章 顔とは何か
- 第1章 動物の顔の進化(咀嚼器の進化;感覚器の進化;「柔らかい顔」の由来;顔の各部の大きさの違い)
- 第2章 顔の人類学(ヒトの顔は変な顔か;皮膚と毛の不思議;眼は口ほどにものを言うか;「縁の下」で働く鼻;口は食うより訴えたい;顔の脇役たち)
- 第3章 ヒトの顔はなぜ違うのか(人種による違い;性別による違い;角度や表情による違い)
- 第4章 ヒトの顔はどう進化したか(「人間らしさ」の獲得;人類の顔の進化;どのように顔を復元するか)
- 第5章 日本人の顔(最古の日本人の顔は「アフリカ由来」;縄文人の顔は南方由来か;弥生人の顔は北方由来か;徳川将軍家の顔;子どもたちの顔を鍛える)
<メモ>
〇動物の身体構造に見る科学
〇他