Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 (日本経済新聞出版)

【概要】
著者(監督):平井一夫

英語や異文化コミュニケーションの点で幼少時から苦労したKAZUO、SONYでKANDOおじさんに変身する。「俺はセラピストか」と自嘲するくらい聞き役に徹し苦境を乗り越えたサンドの経験から、特に「【異見】を求める」こと、そしてその空気を醸成することを重視する。

利害関係者の本音を引き出し、心のスイッチを押すことがリーダーには求められる。みんな大好き心理的安全性の土台作りももちろん重要。知ったかぶりしないこと、異見を求めること、現場の声を拾うこと、人間臭い姿を見せること、「ちゃんと見ているぞ」と示すこと、責任を持ちハシゴを外さないことなど。あと体形維持とかROE自己資本利益率)重視も大事かもね(; ・`д・´)

 

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【詳細】
<目次>

<メモ>

ソニーの変革を含め、私はこれまで3度の事業再生に携わってきました。そのいずれにおいても、社員との信頼関係を築き、困難に立ち向かうためにはリーダーのEQ(心の知能指数)の高さが求められるということを痛感しました。戦術や戦略といった施策ももちろん重要ですが、それだけでは組織をよみがえらせることはできないのです。

 

私がこのような考え方に至ったのは、これまでの生い立ちや仕事人生と無関係ではありません。
少年時代、日本と海外で何度も転居し、常に「異邦人」として見られてきたこと。エレクトロニクスが主流という印象の強かったソニーにおいて、音楽やゲームの領域で出世競争とはあまりかかわりのないキャリアを歩んできたこと。
こうした、メインストリームから少しはずれた「異端」としての人生を送ってきことが、私のリーダーとしての哲学のベースになっています。

 

どうやら私はこういった逆風にさらされている時ほど「やってやるぞ」という闘志がわいてくる性格のようだ。後にソニーの社長を引き受けた時もそうだが、会社の状態が良くないことは最初から分かっている。それを承知で選んだことなので迷いはなかった。

オートパイロット状態になったら飽きるみたい(; ・`д・´)

 

では、何から手を付けるべきか。
これはSCEAの時と同じだった。まずは会社が置かれている状況を詳しく知ることから始めるのだ。そのためには社員の話を聞いて、社員たちが会社に対して、そしてプレイステーション 3に対して何を思っているのかを知る必要がある。そこからやるべきことを抽出していくのだ。
SCEAの時は涙を流す社員もいて「俺はセラピストか」と思ったほどだったが、さすがに1万人もの社員がいるSCEでは、一人ひとりの声を聞いて回ることはできない。まずは部長レベルの人たちを5人から10人ほど集めてのランチ会を頻繁に開き、彼らの声に耳を傾けることから始めた。

 

分からないことを分からないと口に出して言うことの大切さは、すでに身に染みて知っていた。
知ったかぶりというのは、部下にはすぐに見抜かれてしまうものだ。リーダーの資質として重要なのは「だったらサポートしましょうか」と、部下たちに思ってもらうこと。「この人、知りもしないでよく偉そうなことばかり言うよな」と思われたらアウトだ。そうなると部下たちは上司を適当に丸め込もうとするかもしれないし、プロジェクトに取り組む本気度も違ってくるだろう。これは小さなことに思えるかもしれないが、大きな違いを生む要素だと、私は考えている。

 

「知ったかぶりはしない」という私のリーダーとしての哲学は、思えば彼らのような異分野のプロとの出会いから形成されたものなのかもしれない。そしてもうひとつ、私が大切にしてきた哲学がある。それは「異見を求める」である。
異見とは読んで字のごとく、異なる意見のことだ。どんなに優秀な人でも、あるビジネスのすべてを知り尽くすことなど不可能だ。たとえ何かの分野に精通している人でも、思いもしなかった新しい発想が、他の人の発言をヒントに浮かんでくるということは往々にしてあるのではないだろうか。
「異見を言ってくれるプロ」を探し出して自分の周囲に置くことは、リーダーとして不可欠な素養ではないかと思う。そのためには自分自身が周囲から「この人はちゃんと異見に耳を傾けてくれる」と思われるような信頼関係を築く必要がある。それと同時にリーダーが責任を取る覚悟があることを言葉に表して、また行動で示す必要がある。そうでなければ「異見」は集まらない。

 

ものごとを決めていく過程で互いに異見をぶつけ合うこと、そしてそれができる雰囲気を作ることは、私にとってはマネジメントチームを運営する上での大原則となる。その前提になる心がけが三つある。

第一に、 リーダーはまずは聞き役に徹すること。私は会議ではなるべく発言しないよにしていた。特に冒頭はなるべく発言しない。最初は「この人はエレクトロニクスのことが分からないから話さないのかな」と思われたようだが、そんなことはお構いなしだ。私は分からないことがあれば正直に分からないと言う。それより冒頭で発言を控えるのは、リーダーの立場にある人間が話し始めると、その場にいる人たちがどうしても聞き役に回ってしまうからだ。リーダーが発言しないと、時にはシーンとして妙な空気になるが「間」を恐れず、まずは異見が言いやすい雰囲気を作ることが先決だ。そのためにはリーダーは黙ることも必要なのだ。

第二に、期限を区切ること。私は結論の出ない会議というものが嫌いなのだが、一度の会議で結論が出ないこともある。そんな場合は「いつまでに何をアップデートする」と、その場でしっかりと決めてしまうことだ。

第三に、これがリーダーの役割になるのだが、最後はリーダー自身の口で方向性を決めること。そして、一度決めたらぶれないこと。「私が責任を持つ」とストレートに伝えることだ。

 

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