【概要】
著者(監督):三木那由他
〇コミュニケーション:C
発言を通じて話し手と聞き手のあいだで約束事を構築していくような営み
〇マニピュレーション:M
発言を通じて話し手が聞き手の心理や行動を操ろうという営み
会話や言葉の意図や効果を言語化することが学問の第一歩。会話を上記2つの営みからなると考え、主にマンガを題材にコミュニケーションやマニュピレーションの例を学ぶ。オビにもなっている「うる星やつら」「めぞん一刻」、「ハガレンや「ONE OIECE」、ネウロや「背すじをピン!と」、『勝手にふるえてろ』 や「オリエント急行の殺人」、あとはBLなどの知る人ぞ知る作品まで、興味の幅が広い。
Cあり/なし、Mあり/なしの2x2=計4通りの会話があり、CありMあり/なしの2通りが大部分だと思うが、やはりCなしMありの素直じゃない会話が人間存在の面白さやい愛おしさを表している(CなしMなしはまあほぼないでしょう)。迂遠な方法で意図や真意伝えたり、不言実行したり、独り言で自分と約束したり、外国語で心情を吐露したり、死者への語りかけを行ったり。賢そうなやりとりやズレたやりとりも適宜使いこなしていきたいところ(前者の例は焔の錬金術師のとある会話)。
著者のバックグラウンドを反映してか、BLやトランスジェンダー系のマンガ多し。攻撃的コミュニケーションのみならず攻撃的なマニピュレーションの責任(攻撃的なほのめかし)も問うべきと提言する。
私自身も、そうした(約束事を撤回する)勇気と誠実さを持ってくれた家族や友人たちに救われて、ここまで生きてこられました。
【詳細】
<目次>
- 第1章 コミュニケーションとマニピュレーション
- 第2章 わかり切ったことをそれでも言う
- 第3章 間違っているとわかっていても
- 第4章 伝わらないからこそ言えること
- 第5章 すれ違うコミュニケーション
- 第6章 本心を潜ませる
- 第7章 操るための言葉
<メモ>
略。