【概要】
著者(監督):野口 悠紀雄
金融工学、金儲けの技術というよりはリスク評価の技術みたい。途中からかなり難解になったがなんとなくわかるようになるのでは。20年前の著だが、ゼロリスク信仰などに見られる日本のリスク評価の稚拙さは全く変わっていない模様。
【詳細】
<目次>
<メモ>
金融工学を学びたいと考える読者にあらかじめ注意したいのは、これを利用して金儲けをしようとは考えないほうがよいということだ。金融工学は、金持ちになる方法を与えていないのである。これは、重要なことである。
巷にあふれる投資法の本には、「この方法で株式投資をすれば、一億円儲けられる」という類のご託宣が述べられている。しかし、株式投資で確実に儲ける方法は存在しないのである。
金融工学の基本的な結論の一つは、「そうしたご託宣はすべてまやかしである」というものなのだ。この結論は、きわめて刺激的である。また、実務的な観点からも、重要な意味を持っている。
- 金融工学は「リスク管理のための知識と技術」
- 「金融工学の主要なテーマはリスクマネジメント」
- 「(二種類の資産の)適切な組み合わせを行なえば、いずれの資産の標準偏差よりも小さな値にすることが可能なのである」
- 「先物市場の本来の機能は、リスク回避である」
⇒卵 in バスケットを例にとった定量的なリスク評価はわかりやすい。あと「効率的市場」の意味とか。
つまり、一般的に、分散投資によって、ポートフォリオの分散を小さくすることができるのである。これが「分散投資」の基本的なアイディアである。
今日、オプション価格理論を理解するために、偏微分方程式や確率過程論のような高等数学は、必ずしも必要ない。全くエレメンタリーな算式だけでも、理解することができるようになったのである。
リスクに挑戦するための社会的な仕組みと技術を持たない国が、いかに高度な自然科学と工学を発展させても、やがて衰退することは、歴史的な事実が明確に示している。
☞原発、ワクチン…20年経っても全然ゼロリスク信仰から抜け出せてないやんけ(; ・`д・´)
★ランニングマルタンガールもちょっと出るよ(; ・`д・´)