Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ことばのロマンス

ことばのロマンス―英語の語源 (岩波文庫)

【概要】
著者(監督):E.ウィークリー 寺澤芳雄・出淵博 訳

英単語の語源考察大好きおじさん。忙しい学究生活の間に収集したよもやま話をエッセイ風にまとめた。英語の特徴である、種々の言語から借り入れた語彙の豊かさからくる表現の豊かさの表れとして、印欧諸語が縦横無尽にわたり登場する。当時の流行語やシェイクスピアの引用まで読者の興味を惹き続ける手腕はさすが。

 

【詳細】
<目次>

  • 第1章 英語の語彙
  • 第2章 ことばの遍歴
  • 第3章 民間造語
  • 第4章 語と地名
  • 第5章 音の変化
  • 第6章 語と意味
  • 第7章 意味論
  • 第8章 隠喩
  • 第9章 民間語源
  • 第10章 二重語
  • 第11章 同音異義語
  • 第12章 姓名
  • 第13章 語源研究―その事実と虚構


<メモ>

ある語源説が穏当であるためには、次の三つの条件を満たさなければならない。
まず、音変化について確立された法則を破ってはならない。
次に、意味の展開が明確に跡づけられなくてはならない。
さらに、この意味の展開は、その語の最も古い、あるいは最も基本的な意味から出発しなければならない。

  • assassin, monkey-wrench, basilisk, boycott, turkey, avant-garde, clay-more, paladin, cipher, vagabond, disasterなど、飽きるぐらいにさまざまな語彙が登場。
  • Shakespearの引用率たかし。
  • 音の脱落や訛り、音位転換(ヘリコプター⇒ヘリポクター) 、短縮化、意味の変化、連声(リエゾン)など、様々な変化が現在進行。
  • 民間語源の創意工夫感。
  • 『コトグレーブ仏英』の辛口ぶり。「beejam…初心者。商売や技芸の面で経験の浅い徒弟、見習い。また、単純で、無知で、未熟な愚か者。粗野で、野暮な、世間知らずのおてんば娘。呑んだくれ、頓馬、間抜け、阿呆、大馬鹿で、ここ一番何か言わなければならない時に何も言えない者」
  • GoodenoughやArmstrong、Lovellなどの名前。

〇慣用句・ことわざシリーズ

  • take the cake(賞を取る)
  • lose the ship for a ha'porth of tar(一文惜しみの百失い)
  • A cat may look at a king.(目上の人でも遠慮しなくてよいことがある)
  • beat the bush(縁の下の力持ち)

〇語源例(著者提唱)

  • rivus(羅「川」)⇒rival(同じ川の傍らに住む者、競争相手)
  • trivium(羅「三叉路」)⇒trivial(三叉路で拾えるようなありふれた)
  • Slavonian(十字軍の時代に捕虜となったスラブ人)⇒slave
  • dægeseage(古期英語、day's eye)⇒daisy
  • our Lady(聖母マリア)⇒ladybird(てんとう虫)
  • Kobold(独「小鬼、役に立たない原鉱」)⇒cobalt(コバルト)
  • Canterbury gallop⇒canter(駈歩)
  • Shall I?⇒shilly-shally(優柔不断)
  • calculus(羅「滑らかな小石」)⇒calculation
  • companio(n)(羅「パンを共に分け合う者」)⇒companion(仲間、友人)
  • jeu parti(古期仏語「引き分けに終わるゲーム」)⇒jeopardy

〇かっこいい引用

An arm
Rose up from out the bosom of the lake,
Clothed in white samite, mystic, wonderful,
Holding the sword.

 

一本の腕が
湖の真中から突き出された。

白いサマイトに包まれ、神秘的に、見事に、
剣を握って。
テニスンアーサー王の死』)

 

Had she affections and warm youthful blood,
She'd be as swift in motion as a ball ;
My words would bandy her to my sweet love,
And his to me.

 

あの女(=乳母)に愛情があり、熱く若い血があったなら、
球のように速く動くだろうに。
わたしのことばがあの女を愛しい方に向かって打つ
すると、あの方のことばがあの女をわたしに打ち返す。
シェイクスピアロミオとジュリエット』)

 

But Cranstoun's lance, of more avail,
Pierced through, like silk, the Borderer's mail ;
Through shield, and jack, and acton past,
Deep in his bosom broke at last.

 

しかしクランストンの槍は、ひときわ勝り
国境兵の鎖帷子を絹のように通し、
盾、上衣、鎧下を刺し
その胸を深く貫いた。
(スコット『最後の吟遊詩人の歌』)

 

Would the nobility lay aside their ruth,
And let me use my sword, I'd make a quarry
With thousands of these quarter'd slaves, as high
As I could pick my lance.

 

もし貴族たちが情けを捨てて、
私に剣を使わせてくれるなら、死人の山を、
これら何千ものろくでなしを切り刻んで築いてやろうものを、
この手槍が貫きとおせる限りの高さまで。
シェイクスピアコリオレイナス』)

 

 

〇英語語源系

javalousty.hatenablog.com

 

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