【概要】
著者(監督):田中芳樹
(Ⅰ 黎明編)アニメ版をだいぶ前に観たので原文の感じを味わいたく。SF的小道具に若干古臭さはあるものの、時代や場所が変わろうとも変わることのない人間の悲喜劇が宇宙規模で描かれる。けっこう読みやすいので全10巻読破も視野。
【詳細】
<メモ>
(Ⅰ 黎明編)
アスターテの会戦~アムリッツァ会戦まで。名言の数々がコンニチハしているぞ。亜空間跳躍航法や重力制御もあるし風邪もある。銀河の歴史がまた一ページ…。
かくして宇宙暦八世紀末、帝国暦五世紀末になると、図体がでかいだけで規律も統制もない帝国と、建国当初の理想を喪失した同盟とが、フェザーンをあいだにはさんで、惰性的な対立抗争をつづけるだけのありさまとなっていた。
アンネローゼ「ジーク、弟と仲よくしてやってね」
ラインハルト「ルドルフに可能だったことが、俺には不可能だと思うか?」
「はあ、では読みます。貴官の勇戦に敬意を表す、再戦の日まで壮健なれ、銀河帝国軍上級大将ラインハルト・フォン・ローエングラム……以上です」
「勇戦と評してくれたか。恐縮するね」
「恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもののぞみはしない。だが何十年かの平和でゆたかな時代は存在できた。吾々がつぎの世代になにか遺産を託さなくてはならないとするなら、やはり平和がいちばんだ。そして前の世代から手わたされた平和を維持するのは、つぎの世代の責任だ。それぞれの世代が、のちの世代への責任を忘れないでいれば、結果として長期間の平和がたもてるだろう。忘れれば先人の遺産は食いつぶされ、人類は一から再出発ということになる。まあ、それもいいけどね」
「要するに私の希望は、たかだかこのさき何十年かの平和なんだ。だがそれでも、その十分の一の期間の戦乱に勝ること幾万倍だと思う。私の家に一四歳の男の子がいるが、その子が戦場にひきだされるのを見たくない。そういうことだ」
アマプラで観られますよ。