Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

果てしなき流れの果に

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

【概要】
著者(監督):小松左京

考えるな、感じろ。「現実的結末」あたりまでは60年代SFといった感じだが、ここから急加速して置いてけぼりにされる。いくつもの時空と情報が猛烈な勢いで流れ去っていき、SF要素にひたすらボコボコにされる。

壮大すぎる往きて還りし物語。50年以上前の作品だが、高次元生命体からの干渉 テラフォーミングスーパーフレア軌道エレベータ、宇宙探査、タイムマシン、パラレルワールドなどは今も熱い憧憬の対象ではある。

 

【詳細】
<メモ>

──終焉が始元とつながって 一切の現象が完成されてしまう時、認識はその円環を完全に脱却して──その外に立ち得る。この世界のすべてを知ることができながら、なおかつ、それで終りはしない。

 

こうして、すべての天体のすべての時間、すべての可能性の結節点に、『網』がはられた。もえさかる巨星、星かげまばらな空間に、鬼火のようにまたたく球状星団の中の、年おいた惑星の数々、レンズ状、渦状、リング状の星雲の角、宇宙の中心部において形成されつつある、奇妙な暗黒の輻射体の中にまで……。ありとあらゆる、きちがいじみた形態の「知性体』に布告をめぐらし、時間系のすべての『節』に、警報をとばし、原初段階から終末段階まで、すべての段階で下級"作業"をおこなっている、第五階梯の連中まで駆りたてて…。

 

やつは──あんたたちにたてついているんだろう? これだけ、宇宙の隅から隅まで、時のはじまりから、終末にいたるまで、蟻のはいでる隙間もないほどおさえている、あんたたちに──支配するということさえ気づかせずに、すべてのものをあやつっているあんたたちに、やつは──やつらは、たてついているんだろう? あらがいがたい運命にむかって、──とにかく、刃むかって見せているんだろう? 小気味いいじゃねえか!──つい──つい、かばいたくもなるじゃねえか!──どうせ、おいつめられ、くたばっちまうのはわかっているが、まあそれまで、がんばれよって、いいたくなるじゃないか!」

 

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