【概要】
著者(監督):山本弘
小説制作を料理にたとえながら、Q&A方式というか対話方式で指南する。著者はSF系。書くのは「楽しいから!」らしい。失敗してもいいから、設定もそこそこにとにかく書いてみることが大事。メフィスト賞1次選考NG集が個人的には面白かった。著者の『アイの物語』を読んでみよう。
【詳細】
<目次>
<メモ>
- 映画、ドラマ、マンガ、アニメ、ノンフィクション、ニュース…すべてが引き出しになる。
- 書いた後に自作品を下手だと思えたら希望あり
- 同じ食材を調理法を変えて料理してみる、別の食材と組み合わせる
- 「穴を埋めれば宝が見つかる」
- 「性格を箇条書きにしたとたん、キャラクターは死ぬ」⇒設定はそこそこに書き出して、書きながら性格や設定を完成させていくこと。
- キャラクターも精神状態は肉体の状態に置き換えて表現する
- 「これは本当に面白いのか?」と自分に問う
- 原稿料は1枚3000-5000円が相場
- 1日最低10枚(4000字)は書くべし
◎メフィスト賞1次選考NG集
「主人公のキャラ・世界観・語り口が不整合」
「無駄な要素が多いので、狙いが分からない」
「このオチが最善だとは思えず、脱力してしまいました」
「一本道のアドベンチャーゲームをプレイしているよう」
「文章は読みやすいが、あまりに内容が軽い」
「展開の複雑さに読者不在を感じる」
「描かれる世界観が小さく、起こる事件は偶然性に頼りすぎている」
「次回作は必ず書き上げたあと、途中で話を切らず、半分まで推敲して最長五百枚に。密度を上げねば成長はありません」
「ストーリーと文章にメリハリがないので、リーダビリティが感じられない」
「とりとめがなさすぎる。起承転結をしっかりと」
「主人公に感情移入できない。行動半径が狭すぎるしラストに驚きがなく、先が読めてしまう」
「未来の設定なのに、もろもろの環境状況が現在と同じで拍子抜け」
「主要登場人物が多すぎます。 それぞれの人物のエピソードでお腹いっぱいです。本筋がどこにあるのか読みきれません」
「空想をただ連ね、雰囲気のみで勝負している」
「セリフの応酬がアニメふうで軽い」
「この内容で二千枚はかなり厳しいです………。 メフィスト賞はエンタテインメントの賞です」
「言葉遊びしたいなら他でどうぞ」
「タイムスリップものとしての新しさがなく、過去の時代の描き方も学習漫画風で小説らしさが希薄」
「霊が出てくる必要のない話」
「世界観の小さな直球ファンタジー。物足りない」
「読み進めるうえで必要な情報の開示が遅い」
「文章や用語、会話が古く、若い読者には厳しい」
「設定を読まされている感が強い」
「テーマがストーリーにうまくからめられていないと感じます」
「会話と思考で構成され、エピソードが足りない」
「キャラクターはいいが、じゃれているだけで話の読み筋がない」
「ストーリーに既視感がありました。ヒーローになるまでが長すぎます」
「自己満足の悪ふざけだけで、物語になっていない」
「幻想的な情景は目に浮かぶのですが、それ以外に読ませるものがありません」
「思いつき一発、勢いだけで書いてしまった印象」
「伝奇小説のけん味が少なく、生真面目な作品。 もっと軽やかに派手に書いてほしい」
「文章が説明的で冗長」
「あきれるほど簡単に事が進みリアリティに欠ける」
「よく調べてあるが、話があっちこっち飛びすぎ、なおかつ登場人物が多すぎ、読み手は大混乱。整理を」
「ストーリーがどこへ向かっていて誰が主人公なのか三百枚読んでもわかりませ
ん….....」
他にもいっぱいあるんですが、これぐらいにしておきます。これらをざっと読むと、どういう作品がメフィスト賞の一次選考ではねられるかが、よく分かりますよね?
逆に言えば、ここで指摘されている欠点に注意すれば、メフィスト賞の一次選考は通るということなんです。